研究課題/領域番号 |
08680530
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
エネルギー学一般・原子力学
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研究機関 | 静岡理工科大学 |
研究代表者 |
田中 耕太郎 静岡理工科大学, 理工学部, 助教授 (60278215)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1996年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 直接発電 / 熱電変換 / 熱再生式濃淡電池 / 固体電解質 / ナトリウム / ウイック |
研究概要 |
アルカリ金属熱電変換(AMTEC)の研究に関して、従来の電磁ポンプに代わり毛細管力を使用してナトリウムを循環させるウイック循環型AMTECセルに注目した基礎研究を開始した。以下い8年度の研究実績を述べる。 1.AMTECサイクルと同等条件のウイック評価装置を作製し、その特性(毛細管力・ナトリウム流れ抵抗)を測定した。ウイック材料としてはSUS微粉末焼結体を選定し、直径10mmの管に詰めてシールしたものを使用した。実験初期段階では予想される毛細管力を大きく下回る測定結果となり、原因はウイック材料焼結時の体積収縮による微細な隙間であることが判明した。この問題は材料の焼結度を低く抑え、微粉末の移動は焼結済み材料で抑える構造とすることで解決した。今回得られた最大圧力差は約4×10^4Paであり、温度1050Kのナトリウム飽和蒸気圧力に相当する。実際の作動を考えると950K程度となり当初予定の1100Kより多少低い結果となったが、逆に効率は少し低下するが1000K以下で作動するAMTECセルの研究を進める契機となった。 2.AMTECセル全体の性能をシミュレーション計算手法により解析し、幾つかの知見を得た。(1)変換効率は20〜25%が現状技術で期待できる。(2)ウイック循環型と組み合わせるアノード側蒸気供給方式は大型セルで80K程度の温度差を生じ、今後の検討が必要である。(3)セル構造の小型・多管化により体積あたりの出力は4割程度改善される。例えば直径35mm、長さ110mmの円筒小型セルで10Wの出力が期待できる。(4)電極と凝縮部間のナトリウム蒸気流れ圧力損失の低減が効率向上に重要であるが、今回の解析ではこの効果の評価が不十分である。 今後の研究として小型セルを実際に作製し、インピーダンス解析などの実験結果よりさらに詳細な熱・物質移動の性能解析を行うこと、セル作製に関する諸問題(固体電解質のシール方法など)を解決することが必要である。
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