研究課題/領域番号 |
08680534
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
核融合学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
中嶋 洋輔 筑波大学, 物理学系, 講師 (00188939)
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研究分担者 |
庄子 主 核融合科学研究所, プラズマ制御研究系, 助手 (00280602)
板倉 昭慶 筑波大学, 物理学系, 講師 (80015544)
谷津 潔 筑波大学, 物理学系, 教授 (60015576)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1996年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | プラズマ / 粒子バランス / 中性粒子密度 / 粒子補給 / Hα線検出器 / 荷電交換損失 |
研究概要 |
今回の研究では、ガンマ10セントラル部における粒子バランスを解明する為に、プラズマの生成量を見積もる際に必要となる中性粒子粒子密度のプラズマ径方向・軸方向の分布を詳細に計測することを目的として、以下のことを行った。 1.昨年度において設置したHα線検出器を用いて得られたHα線の輻射強度分布の測定結果に基づいて、中性粒子密度の軸方向分布を求めた。 i)放電初期において、Hα光の軸方向分布は、プラズマの立ち上げ時に使用するガスボックス部近傍のHα線強度の変化が強くなることが分かった。一方、放電が定常時ではプラズマ維持の為に用いられているミラースロート部の発光強度が高く、中央部に向かって減少していることが判明した。このことから、水素ガスは各々のガスパフ近傍に局在化していることが明らかになった。 ii)プラズマ維持に使用されるガスパフの圧力に対する、Hα発光強度、プラズマの電子密度の依存性を調べた結果、両者の間に強い相関が得られ、スロート部での電離がセントラル部のプラズマ密度の維持に寄与していることが裏付けられた。 iii)Hα発光強度の軸方向分布の測定結果に基づいて、セントラル部全体にわたる電離量を評価した結果、ミッドプレーン部の強度で軸方向に一定と仮定した場合に比べて、電離量は約2倍から3倍上回ることが明らかになり、電離量を見積もる上で無視できないことが判明した。 2.モンテカルロ法を用いた中性粒子輸送シミュレーションコードをガンマ10セントラル部に適用し、上記実験結果と比較検討した結果、Hα発光強度はミラースロート部で高く、中央部に向かって減衰する傾向が得られたが、減衰の程度に有意な差が認められた為、シミュレーションコードにリサイクリングの効果を導入して計算を行った。その結果、リサイクリングの効果によって、実験結果を概ね説明出来ることが分かった。 以上の結果から、高温・高密度プラズマ生成の為に必要とされる粒子バランスを解明する上で、重要な項目である中性粒子密度の挙動に関する貴重な知見を得ることができた。
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