研究課題/領域番号 |
08680564
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境動態解析
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研究機関 | 国立環境研究所 |
研究代表者 |
福山 力 国立環境研究所, 大気圏環境部, 室長 (90011642)
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研究分担者 |
太田 幸雄 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00100058)
村野 健太郎 国立環境研究所, 地球環境研究グループ, 主任研究官 (40109905)
内山 政弘 国立環境研究所, 大気圏環境部, 主任研究員 (20160294)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1998年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1997年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 雲化学 / 立坑実験 / 人口雲生成 / 雲粒径 / 熱線式水滴径測定装置 / 雲粒内反応 / 二酸化硫黄の酸化反応 / 人工雲生成 / 酸性雨生成 |
研究概要 |
釜石鉱山にある高さ430mの立坑において、坑頂に設置したファンで風速約1m/sの上昇気流を起こさせることにより人工雲を生成させ、次の実験を行なった。 1. 大気中の二酸化硫黄が雲粒に取り込まれ、液相反応により酸化される過程を調べるために、坑底で二酸化硫黄ガスを放出し、エレベーター等を利用して立坑内の種々の高さで慣性衝突捕集器により雲粒とエアロゾル粒子を分別採取、さらに炭酸ナトリウム含浸濾紙により二酸化硫黄ガスも採取した。捕集面にはホルムアルデヒド含浸濾紙を用いて亜硫酸の酸化を抑制し、S(IV)とS(VI)をそれぞれ定量した。この実験により次の知見が得られた:(1)雲底直上で雲粒中のS(IV)は気相二酸化硫黄と平衡に達している。すわち二酸化硫黄のレインアウトは非常に速い。(2)雲粒中のS(VI)/S(IV)比は高さによってほとんど変化しない。したがって溶存酸素との熱反応による酸化は遅い。 雲化学過程の特徴は、反応場(水滴)そのものが生成・消滅する点である。本研究2年目以降は坑内エレベーターの使用が出来ず、高度プロファイルによる反応の追跡が不可能になったことも考慮して、研究対象を雲粒の生成・成長過程に絞って次の結果を得た。 2. レーザー距離計により雲底を観測したところ、その高度は距離スケール100m、時間スケール10秒程度で変動していることが明らかとなった。 3. 雲核となり得る塩化ナトリウムや塩化リチウムの水溶液を坑底で噴霧し、雲粒濃度および雲粒径に及ぼす影響を坑頂で観測した。その結果、無機塩噴霧により雲粒濃度が著しく増加し、また粒径分布は大粒径側に向かって長い裾が伸びることが認められた。しかし粒径の最頻値は一定であった。噴霧開始から坑頂で濃度増加が認められるまでの時間は粒径に依存し、その解析により水滴の成長速度に関する知見を得た。
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