研究課題/領域番号 |
08680570
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境影響評価(含放射線生物学)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
田口 貞善 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 教授 (90086819)
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研究分担者 |
松村 道一 京都大学, 総合人間学部, 助教授 (20150328)
津田 謹輔 京都大学, 総合人間学部, 教授 (10180001)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1996年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 重粒子線 / 酸化系酵素活性 / 解糖系酵素活性 / 骨格筋線維 / 骨強度 |
研究概要 |
本実験では、Wistar-Mishima系雄性ラットを用いて重粒子線を全身照射し、照射後3ヶ月時点に麻酔下で骨格筋を採取し、その組織化学的特性及び骨強度について観察した。照射量は、0、1.25、2.5Gy、照射時の月齢は、3、6、9、12、18ヶ月であった。ヒラメ筋の筋線維タイプ別組成比率は、18ヶ月齢時に1.25Gy照射した群では、そのコントロール群と比較してSO線維比率の減少とそれに伴うFOG線維の増加が認められた。他の月齢における照射群では、コントロール群と比較して統計的差異はなかった。我々は、重粒子線を3ヶ月齢ラットの後肢のみに照射した場合においても、ヒラメ筋の筋線維組成比率に変化が見られなかったことを先に報告しており、筋線維タイプの決定に関わるミオシン重鎖アイソフォームの発現型に重粒子線照射が特異的な影響を及ぼすことはないか、もしくは放射線の照射適応であるかと考えられる。単一筋線維の筋横断面積についても、SO線維で18ヶ月齢の1.25Gy照射群においてのみコントロール群、2.5Gy群と比較して有意に低値を示したが、その他の月齢では、群間に差は認められなかった。酸化系酵素活性であるSDH活性は、ヒラメ筋SO線維について、照射群は、コントロール群と比較して同水準を保っており、予想された活性の低下は観察されなかった。一方、解糖系酵素活性であるα-GPD活性は、若齢である3ヶ月齢1.25Gy照射群において有意な低下がみられ、3か月齢2.5Gy照射群、6ヶ月齢1.25Gy照射群、9ヶ月齢1.25Gy照射群においても低下傾向が示された。重粒子線への1回の被爆がヒラメ筋の酸化系代謝能に及ぼす影響は、照射後3ヶ月の時点では少ないが、若齢期における解糖系代謝能については、重粒子線照射の影響受ける可能性が示唆された。大腿骨の骨強度は、全ての月齢において群間に差は認められず、単照射による重粒子線が骨代謝に与える影響は認められなかった。
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