研究課題/領域番号 |
08680584
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境影響評価(含放射線生物学)
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
桧枝 光太郎 立教大学, 理学部, 教授 (20062656)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1996年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 太陽光 / 紫外線 / ピリミジン2量体 / DNA / 化学線量計 |
研究概要 |
環境中には、太陽光や人工的な光源によるDNA損傷を誘発する生物に有害な紫外線が充満している。特に、太陽光中の有害紫外線は、オゾン層の破壊によって増加し、その環境やヒトに対する影響が懸念されている。人体への影響を評価する基礎として、個人レベルで被爆線量を絶対値として測定する。簡単で正確な測定系としてDNA損傷量を用いる化学線量計の確立を、本研究の目的とした。具体的には、ジヌクレオチド(thymidylyl-5'-3'-thymindine、以下TpTと省略)をフィルム状に加工し、そこに生じるシクロブタン型チミン2量体量をHPLCで定量する、新しいタイプの有害紫外線の線量計(TpTフィルム線量計)である。 得られた主要な結果は以下の通りである。1.TpTフィルム線量計は湿度の上昇と共に、2量体生成率が上昇することが分かったので、紫外線透過率の高い(70%以上)の有機膜でシリカゲルと共に密封し、乾燥状態を保って照射することとした。2.線量計の基礎として、近・遠紫外線領域の作用スペクトルを、基礎生物学研究所大型スペクトルを利用して決定した。3.毎正時にUVBスペクトルを測定している那覇気象台および札幌気象台で本線量計に太陽光を照射した。2量体の実測値と、気象庁から発表されたスペクトル強度と前項で述べた作用スペクトルの積として得られる2量体の計算値と比較し、比較的良い一致が得られることが分かった。4.月2回程度、立教大学屋上で、太陽光照射実験を行い、本研究で開発した手法が有害紫外線量計として、フィールドワークで有効なことを実証した。同時測定した、UVB線量との相関を調べた。5.以上の結果から、本線量計が所期の目的を満たす物であることが実証された。
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