研究課題/領域番号 |
08680623
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物有機科学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
田中 俊之 筑波大学, 応用生物化学系, 講師 (10217052)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1996年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | C-1027 / クロモプロテイン / 分子認識 / 二次元NMR / 溶液構造 |
研究概要 |
強力な抗癌剤であるC-1027は、DNA切断活性を示す非常に不安定なクロモフォアと、これを特異的に結合して安定化するアポタンパクからなる。本研究では、このC-1027複合体におけるクロモフォア結合様式および安定化機構を原子レベルで解明することを目的とする。 1.天然のクロモフォアの化学構造は既に報告されているが、C8、C9、C13およびC18位の絶対配置が決まっていない。そこで、安定な芳香環化クロモフォアに新モッシャー法を適用し、13R、18Sであることを明らかにした。次に、芳香環化クロモフォアのNOE測定とコンピューター・モデリングを行い、8R、9Rと決定した。 2.アポタンパク単独の二次元NMR解析とX-PLOR構造計算を行った。アポタンパクは3つの逆平行型βシートから構成されており、このうち2枚のβシートと2つのループから疎水性の高いポケットが形成されていることを明らかにした。 3.芳香環化クロモフォアとアポタンパクの1:1複合体を天然複合体のモデルとし、二次元NMR解析と構造計算を行った。NOESYスペクトルの解析から得られた距離情報に基づくX-PLOR構造計算の結果、芳香環化クロモフォアはアポタンパクの疎水性ポケットに結合していることがわかった。計算に用いた距離情報が少なく構造が十分に収束していないため、芳香環化クロモフォアとアポタンパク間の詳細な相互作用はまだ明らかでない。今後解析を進め、構造の精密化を行う。 4.測定条件を種々検討し、不安定な天然のC-1027複合体の二次元NMRスペクトルを測定することに成功した。今後スペクトルの解析と構造計算を行い、クロモフォア結合様式および安定化機構を明らかにする予定である。
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