研究概要 |
1、全世界の熱帯でバナナの害虫として知られるバナナゾウムシ(banana weevil,Cosmopolites sordidus)の雄が放出する集合フェロモンであるSordidinの両鏡像体を合成した。天然物とガスクロマトグラフィーで比較した結果、天然物は(1S,3R,5R,7S)-(+)-1-ethyl-3,5,7-trimethyl-2,8-dioxabicyclo[3.2.1]octaneであることが確定した。本フェロモンは、ラセミ体でも生物活性を示した。 単細胞緑鞭毛藻類であるChlamydomonas allensworthiiの雌性配偶子が放出して雄性配偶子を誘引する性フェロモンであるLurlene類を合成した。合成品が天然物と一致し、雄性配偶子に対して誘引性を示したことにより、Lurlene類の一つLurlenic acidの構造は(4E,8E,12E)-[2'-hydroxy-3',4'-dimethyl-5'-(1"-β-D-xylopyranosyloxy)phenyl]-4,8,12-trimethyltetradeca-4,8,12-trienoic acidであることが確定した。Lurlenic acidのCO_2H基がCO_2OHとなったLurlenolの合成にも成功した。
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