研究概要 |
ヤエヤマシキミ,フクギおよびサンゴジュより次の新規生理活性天然物の単離構造決定に成功した.二環性C6-C3化合物bicycloillicinon asarone acetal(神経突起伸展作用),キサントン類garciniaxanthones F〜H(活性酸素消去作用),テトラヒドロフラン環を有するフロログルシン類 garsubellin A(アセチルコリン合成酵素活性上昇作用)および11員環vibsane型ジテルペンVibsanin M,N(細胞毒性),7員環vibsanin G〜Pとneovibsane型ジテルペンneovibsanin A〜Iである.また,サンゴジュから単離された3種の11員環,7員環vibsane型およびneovibsane型ジテルペン骨格を化学的に関連づけることができ,vibsane型ジテルペンの生合成に関する重要な知見を得た. 神経突起伸展物質mastigophorenes類の合成は,昨年合成に成功した(+)-herbertenediolを酢酸マンガンで酸化カップリングさせることで,成功した.神経突起伸展物質plagiochin Aの効率的合成法の開発は,plagiochin類に含まれる全ての炭素結合構築をパラジウム触媒下の反応で行い,最後の大環状化の一歩手前まで到達した. 植物組織培養の利用は,苔類のカルス化に焦点を絞って検討した.数種の苔類のカルス化に成功し,液体培養条件検討に移っている.植物組織培養法による(+)-herbertenediolからmastigophorenes類への変換は,既存のゼニゴケ組織培養では実現するに至っていない.
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