研究課題/領域番号 |
08680660
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
構造生物化学
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
和田 郁夫 札幌医科大学, 医学部, 講師 (40182969)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1996年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | カルネキシン / カルレティキュリン / シャペロン / 小胞体 / フォールディング |
研究概要 |
I)カルネキシン(CN)とカルレティキュリン(CR)はmonoglucoseを持つN型糖鎖に結合する分子シャペロンであり、小胞体における新生分子のfoldingに影響を与えるがその機構は明らかでない。その過程を解析するために我々は短時間標識されたHepG2細胞におけるfoldingを氷冷により一時停止させ調整されたミクロソーム(MC)を用いる計測系を作成した。この系では兎網状赤血球溶血系の成分を必要とする犬膵ミクロソームを用いるこれまでのoxidative folding系とは異なり、foldingは一定比の酸化型還元型グルタチオンを含む緩衝液中で進行した。この系でこれらのシャペロンと長時間相互作用する分泌蛋白トランスフェリン(TF)のfoldingを解析したところ、UDP-グルコースの添加により引き起こされるTFの再グルコシル化とその脱グルコシル化に伴い起こるCN/CRのon-offサイクルは、分子間S-S結合を持つaggregatesの量を減らしfoldしたものの量を増やすことが明らかになった。短時間の熱処理したMCを低温に戻した時のfolding過程を解析することによりその機構をさらに調べると、そのサイクルはmisfoldしたTF分子を正常のfolding pathwayに戻すことが示された。CN/CRの結合自体はfoldingの完了を強く阻害し、同時に分子間S-S結合を持つaggregatesの形成を特にCNにおいて顕著に抑制した。CN/CRのシャペロンサイクルは全体としてfoldingを促進するので、このサイクルはCN/CRの機能を最適化するためのメカニズムであり、foldingの過程で起こるmisfoldingの抑制とmisfoldした分子のrenaturationに関与することを示唆する(投稿中)。II)ERGIC53はマンノースレクチンであるにも関わらず、内在性阻害物のため新生分子とは結合しないことが明らかになった。III)RAPとHepG2細胞における新生分子との結合については現在解析中である。VI)spermatogenesis特異的に発現するCN様分子calmeginの機能をノックアウトマウスを使って調べたところ、精子の卵への結合のみが特異的に損なわれ、calmeginが受精の過程に必須な蛋白の構造形成に必要であることが示された。
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