研究課題/領域番号 |
08680679
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能生物化学
|
研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
中西 義信 金沢大学, 薬学部, 助教授 (40172358)
|
研究分担者 |
松村 美穂 金沢大学, 薬学部, 教務職員 (70262590)
|
研究期間 (年度) |
1996
|
研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
|
配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1996年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
|
キーワード | インフルエンザウイルス / アポトーシス / Fas / Fasリガンド / 遺伝子発現制御 / 転写因子 |
研究概要 |
インフルエンザウイルスの感染した培養細胞では、アポトーシス誘導因子Fasリガンドおよびその特異的受容体Fasの増加に続いて、アポトーシスが引き起こされる。この研究では、インフルエンザウイルス感染細胞におけるアポトーシス誘導の仕組みを、FasリガンドとFasの生産量増大機構に注目して解析した。 ヒトFas遺伝子の転写プロモーターを含むDNA断片をクローン化し、培養細胞への遺伝子導入・発現アッセイを利用してプロモーター活性を解析した。その結果、インフルエンザウイルス感染細胞におけるFas遺伝子発現の促進は転写レベルで起こり、それはおもに転写開始点よりも下流域に存在する約200塩基対のDNA領域の働きで制御されることがわかった。さらに、このFas遺伝子転写の促進は、インフルエンザウイルス感染によって活性化されたNF-IL6と呼ばれる転写因子が引き起こすことが明らかになった。現在、感染細胞におけるNF-IL6の活性化がリン酸化によって起こる可能性を追及している。 インフルエンザウイルス感染細胞表層へのFasリガンドの出現を時間経過を追って調べたところ、Fasとほぼ同時に起こることがわかった。さらに、多くの感染細胞では、FasリガンドとFasの生産がともに増加することが明らかになった。これは、"FasリガンドとFasを持つようになったウイルス感染細胞どうしが接触して互いにアポトーシスを誘導し合う"という仕組みの存在を示唆する。現在、インフルエンザウイルス感染細胞のアポトーシスが本当にFasリガンド・Fasを介して誘導されるのかを検討中である。
|