研究課題/領域番号 |
08680699
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能生物化学
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研究機関 | 姫路工業大学 |
研究代表者 |
八木澤 仁 姫路工業大学, 理学部, 助教授 (40192380)
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研究分担者 |
鎌田 英明 姫路工業大学, 理学部, 助手 (10233925)
平田 肇 姫路工業大学, 理学部, 教授 (40049052)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1996年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | ホスホリパーゼC / プレクストリンホモロジー領域 / C2領域 / Ca^<2+>結合 / 膜ターゲティング / マイクロインジェクション |
研究概要 |
昨年までにPLC-δ1遺伝子ならびにその変異体の大腸菌発現系、酵母発現系および動物細胞発現系を確立する作業を行った。本年度はこれらの系を利用してin vitro, in vivoでの酵素活性と分子間相互作用の検討、また本酵素の構造と機能(特に細胞内機能)との関係についての詳細な検討を行った。 (1) PLC-δ1の構造解析:(1)高純度のレコンビナントPLC-δ1を調整し、構造解析のための結晶化を試みた。幾つかの条件で微結晶が得られるようになったが、現在までにX線解析に興せられるような結晶は得られていない。(2)酵素活性がCa^<2+>依存性を持つことにより、本酵素のCa^<2+>結合部位を種々の欠失変異体を用いて解析した。その結果、本酵素には5〜6個のCa^<2+>結合部位があり、そのうち1〜2個はC端のC2領域に存在すること、またこの領域中の一部のアミノ酸置換により酵素活性が著明に低下することが判明した。我々がこれまでに解析したPH領域以外にも触媒活性の機能修飾部位が存在することが明らかになった。(3)他のいくつかのPH領域含有タンパクに対するモジュレーターとして知られるGタンパクβγサブユニットはin vitro, in vivoいずれの条件でもPLC-δ1と相互作用していることが明らかになった。(4)本酵素がセリン・スレオニン型キナーゼ、特にタンパクキナーゼCの基質になりうることがin vitroでのリン酸化実験により判明した。またin vivoリン酸化を行い、リン酸化がスレオニンにおこることを明らかにした。現在、リン酸化部位の特定と、細胞応答に伴うリン酸化の変動の有無を調べている。 (2)無傷細胞におけるPLC-δ1の機能解析:培養細胞(MDCK, PC12)を使用し、PLC-δ1の局在性の変化を観察した。(1) MDCKにマイクロインジェクションによりPH領域変異体を導入し、免疫組織化学的に酵素の局在を調べることによって、PH領域の膜移行にN端37-43残基に含まれる4個の塩基性アミノ酸のそれぞれが決定的に重要であることを明らかにした。(2)内在性PLC-δ1をもつPC12に対し、IP3/PIP2結合領域(30-43)に相当する合成ペプチドを電気穿孔法により細胞内導入を行ったところ、この領域が細胞の形態維持に必要であることを示唆する結果を得た。
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