研究課題/領域番号 |
08680746
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
分子生物学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
小椋 光 熊本大学, 医学部, 助教授 (00158825)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1996年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | FtsH / プロテアーゼ / ATPase / AAAファミリー蛋白 / σ^<32> / 熱ショック応答 / 分子シャペロン / 膜形成 |
研究概要 |
FtsHプロテアーゼの機能ドメイン解明:FtsH蛋白の各ドメインの機能を解析するため、欠失変異や部位特異的変異を導入し、これらの変異FtsHのプロテアーゼ活性をin vivoで調べた。その結果、AAAモジュール内のWalkerモチーフとSRH領域、及びZn結合モチーフはプロテアーゼ活性に重要であることが判明した。膜結合ドメインを欠いたFtsHは活性は落ちるが、過剰に産生すると有意にプロテアーゼ活性を示した。また、これらの変異FtsH蛋白を温度感受性ftsH1変異株で発現したところ、プロテアーゼ触媒部位のグルタミン酸残基をグルタミンに置換した変異が温度感受性を相補し、プロテアーゼ活性も示すことが分かった。この変異蛋白は単独ではプロテアーゼ活性を示さないことから、FtsH1蛋白との複合体として活性を持つことが強く示唆された。fisH変異株での熱ショック応答を解析し、変異株で蓄積したσ^<32>の大部分は不活性状態にあり、その不活性化に分子シャペロンDnaKが関与するという結果を得た。 FtsHプロテアーゼによる基質認識:σ^<32>のC領域に相当する合成ペプチドを基質として、in vitroの系でFtsHによる分解を調べたところ、このペプチドは複数箇所切断されることが分かった(Bukauとの共同研究)。λCIIIの活性領域に相当する24アミノ酸残基のペプチドはin vitroでFtsHのプロテアーゼ活性を強く阻害した。 ftsHと膜形成:ftsH変異の致死性を抑制する変異sfhCはリン脂質の合成経路の酵素FabZの活性を上昇させる変異であること、ftsH変異株ではリポ多糖の合成経路の酵素EnvAのレベルが上昇することを明らかにした。リン脂質とリポ多糖は共通の前駆物質から合成される主要な膜構成成分である。ftsHこれらの合成を制御する因子として働く。
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