研究課題/領域番号 |
08680795
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
発生生物学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
赤坂 甲治 広島大学, 理学部, 助教授 (60150968)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1996年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | ウニ / アリールスルファターゼ / 遺伝子 / Otx |
研究概要 |
我々が以前に行ったゲルシフト分析から、ウニ・アリールスルファターゼ(HpArs)遺伝子のエンハンサーに結合する転写活性化因子Otxは初期型と後期型があることが示されていたが、今年度の研究では初期型OtxEと後期型OtxLの2種類のcDNAをクローニングすることに成功した。これら2種類のOtxタンパク質のアミノ酸配列は、ホメオドメインを含めてホメオドメインからC末端まではまったく同じで、ホメオドメインよりN末端が異なっていた。 次に、Otxタンパク質の機能を探るために強制発現の実験を行った。初期型OtxEのmRNAを受精卵に顕微注入し、OtxEを過剰発現させた胚では、HpArs遺伝子の転写活性化は起こらなかったが、すべての細胞が反口側外胚葉になった。OtxLを過剰発現させた胚では、HpArs遺伝子の転写が活性化した。この結果から、OtxEは細胞運命を決定する機能をもち、OtxLは転写活性化因子であることが明らかになった。 OtxE、OtxLの空間的発現パターンをin situハイブリダイゼイションにより解析したところ、OtxEは卵割期には胚全体で、胞胚期には植物極盤で発現しており、以降消失した。OtxLは胞胚期から間充織細胞を除く胚のすべての細胞で発現が見られた。OtxLの時間的、空間的発現パターンはHpArs遺伝子の発現領域をすべて包含していることから、転写活性化因子である可能性が示唆された。しかし、完全には一致していないので、反口側外胚葉特異的に転写を活性化する機構には、他の因子が必要であることが明らかになった。 遺伝子発現調節のカスケードを遡るために遺伝子をクローリングしたところ、初期型、後期型のOtxはともに一種類のOtx遺伝子の転写産物で、転写開始点とスプライシングサイトを変えることで2種類のOtxが合成されることが明らかになった。
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