研究課題/領域番号 |
08680817
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経解剖学・神経病理学
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
和中 明生 福島県立医科大学, 生体情報伝達研究所・細胞科学研究部門, 教授 (90210989)
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研究分担者 |
今井 祐二 大阪大学, 医学部・寄附講座, 教員
高木 勉 大阪大学, 医学部・寄附講座, 客員助教授 (10252686)
島田 昌一 大阪大学, 医学部・解剖学第二講座, 助教授 (20216063)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1996年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 前脳基底部 / LIMホメオドメイン / 遺伝子発現 / 神経分化 |
研究概要 |
L3は我々が新しく同定したLIM-homeodomain遺伝子ファミリーに属する遺伝子である。従来この遺伝子ファミリーは線虫等の下等動物モデルにおいて神経細胞の分化、細胞系譜決定に関与すると言うことが示されてきたので手始めにL3の遺伝子発現を発生過程マウスにおいて詳細にマッピングしたところ、非常にユニークな発現パターンをとることが明らかとなった。即ち胎生期マウスにおいては神経系では将来線条体、淡蒼球に分化するmedial ganglionic eminence(MGE)に限局して発現し、非神経系では口腔周囲部の中胚葉組織に発現が認められた。この事実はL3遺伝子が上記の部位の細胞分化を制御している可能性を示唆するもので、現在進行中のノックアウトマウス作成についても有用な情報が得られたと考える。L3遺伝子のゲノムは約30kbからなりこの中に9個のexonが含まれている。我々はこの中のexon7(ホメオドメインを含むexon)をネオマイシン耐性遺伝子で置き換えたターゲッティングベクターを作成し、4月からES細胞への導入を始める予定である。また我々はL3をPCR法を用いてクローニングした際に、既存のファミリーメンバー(lim-1,LH-2,isl-1)を併せてクローニングしておりこれらを用いて脳内の各メンバーの発現領域をマッピングしたところ、お互いの発現領域が明瞭な境界を接して混じり合わない事を見出した。またこの境界は近年注目を浴びている前脳分節構造を規定している境界に一致する事も見出した。以上の結果はこのファミリーが前脳という複雑な構造、機能を有する臓器の基本プラン形成に深く関わることを示すものである。
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