研究課題/領域番号 |
08680844
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経化学・神経薬理学
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
五嶋 良郎 横浜市立大学, 医学部, 助教授 (00153750)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1996年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | コラプシン / 軸索輸送 / CRMP / 軸素ガイダンス / G蛋白質 / 細胞内小胞輸送 / 反発分子 / セマフォリン |
研究概要 |
ファスチクリンIVホモログ、コラプシンは神経成長円錐の強い退縮活性を持つ分子量100kDの分泌型蛋白である。コラプシンによる退縮機構の詳細は現在ほとんど不明であるが、同応答はpertussis toxin (PTX)感受性を示す。この性質を利用し、アフリカツメガエル卵母細胞系を用いた発現クローニングによりコラプシン応答に関与する細胞内分子、CRMP-62(collpsin response mediator protein)を同定した。同分子はUNC-33と相同性を示す。UNC-33線虫変異株における表現型は、神経軸索における微小管の異常蓄積と、神経走行の広範な異常である。本研究の目的は、微小管を基本要素とする神経軸索輸送に着目し、コラプシンの軸索輸送に及ぼす効果を成長円錐に対する効果と比較・検討することにある。培養マウス後根神経節の軸索および成長円錐をビデオ増感微分干渉顕微鏡を用い観察した。コラプシン持続適用は濃度依存性に単位時間当たりの順行性、逆向性双方の輸送粒子数を増大した。増大のピーク値はコラプシン投与後、5-8分に認められ、それ以後漸次減少し適用30分後には基礎レベルに戻った。一方粒子の速度には有意な効果を示さなかった。PTX2時間前処理はコラプシン適用34分の時点における成長円錐退縮を完全に阻害したが、輸送粒子数の増大効果に対し無影響であった。Gタンパク質の活性化ペプチドであるマストパランは成長円錐を強力に退縮させるとともに、軸索輸送を抑制した。コラプシンと異なり、マストパランの両作用はいずれもPTXにより阻害された。以上の知見はコラプシンがPTX非感受性の、成長円錐の退縮応答とは異なった経路を介し、特異的に軸索輸送を促進することを示す。これと平行しCRMP分子の発現を特異的に抑制するアンチセンスオリゴヌクレオチドの検索を現在続行しつつある.
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