研究課題/領域番号 |
08680895
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経・筋肉生理学
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
佐々木 光美 東京医科大学, 医学部, 講師 (10170698)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1996年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 排尿 / 膀胱 / 尿道 / 平滑筋 / 括約筋 / 骨盤神経 / 下腹神経 |
研究概要 |
(1)麻酔ネコの膀胱および尿道内圧を測定した。なお筋弛緩剤投与により外尿道括約筋の影響を除いた。膀胱弛緩時、遠位尿道圧(500-750mmH_2O)は近位尿道圧(250-400mmH_2O)に比べて高かった。両尿道圧は膀胱収縮に先行して低下し始め、膀胱収縮時約50-150mmH_2O低下し、収縮終了後徐々に元のレベルに戻った。膀胱収縮に伴う尿道圧の低下は下腹神経切断後もみられ、骨盤神経を経由する反射であることが明らかにされた。第二頚髄で脊髄を切断後、尿道圧は逆に膀胱圧依存性に上昇した。したがって膀胱-尿道反射は脊髄性には興奮性であること、排尿収縮に伴い上位中枢が働くときは抑制性であることが示された。(2)排尿時の膀胱、頚部および尿道の運動をビデオカメラで撮影後画像解析した。最初に膀胱底部、おそらく縦走筋、の収縮が起こり、膀胱頚部は吻側方向に牽引された。これに0.5-10秒遅れて膀胱体部に収縮が波及して膀胱内圧が上昇し始め、約250-300mmH_2Oを越えた時点で近位尿道の開大が起こった。膀胱内圧が500-600mmH_2Oを越えると遠位尿道が拡張し、外尿道口から尿が流出した。(3)以上より近位尿道の能動的弛緩に加え、膀胱底部の収縮による頚部牽引は頚部開口に重要な役割を果たしているものと考えられた。一方膀胱収縮時、遠位尿道も能動的に弛緩することが示されたが、近位尿道より高い圧を保っており、尿流出の有無を決定しているのは遠位尿道であると考えられた。この高い閉鎖圧は膀胱収縮圧を維持するのに重要な役割を持っていると考えられ、さらに検討が必要と思われた。
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