研究概要 |
今までに、大脳皮質のGABA作働性非錐体細胞は、生理的に次の4種類に分けられることを見つけた。(1)Fast-spiking(FS)cell,(2)Late-spiking(LS)cell,(3)Regular-spiking nonpyramidal cell(RSNP)cell,(4)Burst-spiking nonpyramidal cell(BSNP)cell。また、大脳皮質の非錐体細胞は、化学的には、主に次の3種類に分けられることも見つけた。(1)カルシウム結合蛋白質parvalbuminを発現している細胞、(2)ペプチドのsomatostatinを持つ細胞、(3)ペプチドのvasoactive intestinal polypeptide(VIP)を持つ細胞。本研究では、これらの非錐体細胞の生理的サブタイプと化学的サブタイプの関係を調べた。その結果、生理的サブタイプと化学的サブタイプの間には、ある程度の相関があることと、化学的サブタイプにはそれぞれ形態的特徴があることがわかった。FS cellはparvalbuminを発現し、形態的にはextended plexus cellかchandelier cellであった。ペプチドのsomatostatinやVIPは、RSNP cellまたはBSNP cellに発現していた。somatostatinを持つのは、主に、1層にまで上がって行く軸策を持つMartinotti cellであった。一方、VIPを持つのは、double bouquet cellであり、一部はカルシウム結合蛋白質calretininも発現していた。LS cellは、parvalbumin、somatostatin、VIPのいずれも発現せず、形態的にはneurogliaform cellであった。
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