研究課題/領域番号 |
08680947
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
医用生体工学・生体材料学
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
小笠原 康夫 川崎医科大学, 医学部, 助教授 (10152365)
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研究分担者 |
後藤 真己 (後藤 真巳) 川崎医療短期大学, 医用電子技術科, 助教授 (50148699)
矢田 豊隆 川崎医科大学, 医学部, 講師 (00210279)
辻岡 克彦 川崎医科大学, 医学部, 教授 (30163801)
梶谷 文彦 川崎医科大学, 医学部, 教授 (70029114)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1997年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1996年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | α受容体交感神経刺激 / 心内膜側細動脈 / ペーシング負荷 / slosh / 血管拍動性 / slosh現象 / ニードルプローブ型CCD生体顕微鏡 / 血流マ-カ / 血管形状動態 / 冠微小循環血流 / α交感神経活動 / 冠血管トーヌス / 冠動脈slosh現象 / 心筋虚血 |
研究概要 |
本研究は、α交感神経活動の亢進が、冠血管トーヌスの調節により、冠動脈slosh現象(拡張期順流に対する収縮期逆流の割合)の抑止効果を介して、心内膜側の虚血を改善するという仮説を検証することを目的とする。我々が開発したニードルプローブ型CCD生体顕微鏡を用いて心内膜側細動脈の拍動性血管径変化、微小循環血流の観察を同時に直接行った。麻酔開胸下雑種成犬を用いて、左冠動脈中隔枝を剥離後、20MHz80チャンネル超音波ドプラ血流計にて、心筋内血流(中隔枝)を計測した。ニードルプローブ型CCD生体顕微鏡のニードルレンズを左心耳より左室内腔に挿入し、左室心内膜側冠細動脈を観察した。同様に比較のため心外膜側細動脈の観察も行った。心拍数は右室ペーシングにより制御した。大動脈バンディングにより冠灌流圧を制御しつつ、心拍数を変化(140、200、250bpm)させながら、以下の条件下で心筋内冠動脈血流を計測し、心内膜側冠細動脈を同条件で観察した。(1)Basal condition、(2)ノルエピネフリン(NE)0.25μg/kg/min持続静注下、(3)NE+α受容体遮断(フェノキシベンザミン、0.5mg/kg静注)。心拍数140bpm時、NE投与下の心筋内血流パターンはα受容体遮断前より収縮期逆流を認めた。α受容体遮断後、逆流量は著明に増大した。一方、拡張期順流は、α受容体遮断前後で有意な変化はなかった。NE投与下のα受容体遮断後、心拍数140bpm時の心内膜側血流は増大し、心拍数200bpm時には、この効果は消失し、心拍数250bpm時には、逆に心内膜側血流は減少した。いずれの心拍数においても、α受容体遮断により収縮期逆流の有意な増大が認められ、slosh率も有意に増大した。血管拍動性は心内・外膜側細動脈ともにα受容体遮断後、有意に増大した。ニードルプローブ型CCD生体顕微鏡を用いて、α受容体交感神経刺激時の拍動下心内膜側細動脈の拍動性血管径変化を観察することが可能であった。α受容体刺激はslosh現象に対して抑制効果を示し、特に頻拍時には心内膜側心筋血流を維持する効果が示された。
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