研究課題/領域番号 |
08710032
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
美術史
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研究機関 | 国立国際美術館 |
研究代表者 |
尾崎 信一郎 国立国際美術館, 学芸課, 研究員 (40280606)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 現代美術 / アクション / ミニマル・アート / ア-スワーク |
研究概要 |
今年度の研究としては、対象とされる美術活動のうち、これまで調査が不十分であったいくつかの運動について、作品を実見し、作家へのインタビューを行なうとともに基礎的な資料の収集を進めた。具体的には日本においては60年代に東京の街頭でゲリラ的なハプニングを繰り広げたハイ・レッド・センターのメンバーである中西夏之らに面会し、当時の状況を聞き取り、当時発行された資料類を収集した。またアメリカに関しては、60年代後半のア-スワーク、プロセル・アートと呼ばれる動向の作品について、現地あるいはギャラリー等で作品を実見し、関係者への聞き取りを行なった。 本研究の対象とされるのは、絵画や彫刻といったかたちをとることがなく、それゆえ今日では二次的な資料によってしか確認することが困難な作品群であるため、今年度の調査の中で実際の作例や作家本人に接することができたことは大きな収穫であった。これによって従来研究を進めていた50年代の具体美術協会、抽象表現主義の動向から60年代後半まで、日本とアメリカで展開された行為を主体とする美術活動全般に対して基礎的な資料の収集がひとまず終了した。今後はこれらの研究をなんらかのかたちで発表していく予定である。まず本年12月にロサンジェルス現代美術館で開幕し、世界各地を巡回する国際展「アウト・オブ・アクション」に際して刊行される浩瀚なカタログに私は日本における行為を主体とした美術活動に関する論文を寄稿する予定であり、同展覧会は当館にも巡回を計画している。また本年秋に当館での開催を企画している「重力-戦後美術の座標軸」(仮称)の中では、本研究と関連し、アンチ・フォームと総称される60年代のアメリカの動向について具体美術協会やもの派との関係を念頭に、同展のカタログの中で私が詳しく検証する予定である。
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