研究課題/領域番号 |
08710099
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
教育・社会系心理学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
遠矢 浩一 九州大学, 教育学部, 講師 (50242467)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1996年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 運動障害児 / リハビリテーション / 言語的相互作用 |
研究概要 |
本研究では、脳性麻痺児を中心とする運動障害児のリハビリテーションにおけるセラピストの言葉かけの特徴について分析した。研究対象セラピストを心理リハビリテイション訓練会にはじめて参加した群(初心者群)、セラピストの心理リハビリテイション訓練会参加経験が1回から4回の者(経験あり群)、スーパーバイザー資格を有する者を中心とする参加経験が5回以上の者(ベテラン群)の3群に分類し、リハビリテーション遂行中に行われることばかけの指示内容、指示形態について分析した。その結果、以下の点が明らかとなった。1.セラピー経験の多少によって発話内容は異ならないが指示形態が異なる。2.セラピー初心者はこどもに課題動作を指示する際に具体的に身体部位名をあげる。3.セラピー経験のある者は、むしろ動詞そのものを指示形態として用いる。4.セラピー経験の豊富な者は擬態語を多く用いる。 セラピー経験がないと、こどもに対して、「膝」、「足」といった「固有名詞」を用いて課題動作を指示する一方、経験を多少なりとも有するセラピストは、身体部位名よりもむしろ、「曲げる」、「立つ」などの動詞あるいは「ギュ-」などの擬態語を用いて課題動作を提示するという違いが示された。このことは、経験のあるセラピストは、課題動作を提示する際、具体的に動かすべき身体部位に触れたり、実際に動作を誘導したりなどの行為に伴う形でことばかけを行う一方、初心者は、ことばを中心として動作を引き出そうとしていることを示唆すると考えられる。
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