研究課題/領域番号 |
08710107
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
教育・社会系心理学
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
伊藤 忠弘 帝京大学, 文学部, 助手 (90276759)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 自尊心 / 自己防衛 / 自己高揚 / 自己評価 / セルフ・ハンディキャッピング |
研究概要 |
高自尊心者と低自尊心者の自尊心維持・高揚方略の差異を明らかにするために以下の研究を行った。 (1)自己評価状況で高自尊心者と低自尊心者が妨害音の選択というセルフ・ハンディキャッピングの採用の程度あるいはその動機が異なるかどうかをTice(1991)のパラダイムにしたがって実験を行ったところ、全体として促進音選択の傾向が強く、自尊心による差異は明確にならなかった。現在課題の自我関与を強めるなど操作を改良して実験を計画中である。 (2)自尊心と個別領域の自己評価および平均的な同年齢の他者の評価の関係を調べる質問紙調査を行った。自尊心により他者評価に差異はなく、自己評価は高自尊心者ほど高かった。ただし「優しさ」では、高自尊心者と低自尊心者の差異は認められなかった。また「学校評判」や「経済力」などでは、高自尊心者でも自己評価が他者評価より低い。逆に「優しさ」や「まじめさ」では、低自尊心者でも自己評価が他者評価より高い。この結果は低自尊心者でも性格的な特性において自己高揚が行われている可能性を示唆する。 (3)Pelham&Swann(1989)を改良した尺度を用いた研究でも、「優しさ」、「まじめさ」といった評価次元が曖昧な性格特性において、平均以上効果(自分を全体の平均より上であるとみなす傾向)が認められた。 (4)Weinstein(1980)に基づく非現実的楽観性の研究では、日本人でも非現実的楽観性が認められるか、領域により異なるならどの領域で楽観性が認められるか、また楽観的傾向に自尊心による差異があるか、についてデータを分析中である。
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