研究課題/領域番号 |
08710116
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
教育・社会系心理学
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研究機関 | 放送教育開発センター |
研究代表者 |
宮本 友弘 放送教育開発センター, 研究開発部, 助手 (90280552)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1996年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 地理学習 / 地形 / 概念形成 / 視覚表現 / 描画 / メディア心理学 / 教材 |
研究概要 |
本研究の目的は、地形概念の形成を促進する視覚表現のデザイン特性を明らかにし、それを用いた教材の開発に実証的な根拠を提出することにあった。特に、実際の使用頻度が高く、また、汎用性の高い描画(線画)に焦点を当て、以下の調査・実験を行った。 1 教科書にみられる地形の描画の分類と評価 高等学校地理の全教科書を対象に、全てにおいて扱われている「扇状地」の描画を収集したところ、それらの表現形式は、大きく鳥瞰的なものと立体的なものに分類された。両タイプの典型的な事例について、高校生56名、高校教師23名を対象に、評定尺度を用いて評価調査を行った。その結果、鳥瞰的な描画の方が立体的な描画よりも高い評価であり、特に、その傾向は生徒において顕著であっった。また、線画への言語情報の付加は、一貫して無い方が高い評価であった。その成果は日本視聴覚・放送教育学会大会、ならびに、放送教育開発センター研究報告において公表した。 2 描画のデザイン特性の効果 描画の構図の違い(鳥瞰的・立体的)が学習に及ぼす効果を検証するために、輪郭線のみで描いた両タイプの描画を用いて、高校生68名を対象に実験を行った。その結果、両条件の成績には有意差は認められなかった。また、言語情報が不足して描画への依存度が高まる事態でも同様であった。これまでの研究結果と照合すると、地形概念の形成においては描画の評価、ならびに、学習効果は構図ではなく、写実性が重要な要因であることが示唆された。なお、その成果は日本教材学会研究発表大会と年報において公表した。 現在、以上の研究結果を踏まえ、最適なデザイン特性の描画を用いた教材のプロトタイプを開発中であり、近く、関連学会において公表する予定である。
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