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近代都市における集合行動の比較社会学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 08710127
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 社会学(含社会福祉関係)
研究機関山梨大学

研究代表者

中筋 直哉  山梨大学, 教育学部, 講師 (00262064)

研究期間 (年度) 1996
研究課題ステータス 完了 (1996年度)
配分額 *注記
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワード社会運動 / 集合行動 / 比較社会学 / 社会史
研究概要

本研究の目的は、主に文献研究によって、米英仏および日本の近代社会運動史を比較社会学的に検討することであった。私は、まず米英仏および日本の最新の社会運動史研究を収集の上通読するとともに、統計データベースソフトを用いてその内容を指標化し、集合的に把握することを試みた。その結果、アメリカの最近の文献の多くに、従来の集合行動論的視野から歴史社会学的視野への変化がみられた。また量的には、とくに60年代の社会運動の歴史研究の蓄積が著しく進んでいる。また仏英など西欧の研究に通底して、資本主義経済と民衆生活との対抗に焦点を当てる視野から、文化や表象上の変動に変容に焦点を当てる視野への転換がみられた。これに対して、日本の社会運動史研究は、いまだ戦後社会運動史への客観的な歴史社会学的研究が発展する機運は見られず、従来の資本主義経済と日民衆生活との対抗に焦点を当てる視野からの展開も見られない、ある種の停滞状態にあるといえる。言い換えれば、戦後日本の社会運動は歴史的知識として洗練されることなく、忘却されつつあるといえよう。
一方、西欧の社会運動史研究にも次のような問題がみられた。文化・表象上の変容に注目する視野は、往々にして民衆運動を前近代的な社会的価値への復帰の試みとして把握しがちである。それらが描き出す社会性はたしかにユートピア的魅力をもつが、論理上必ず近代的な価値(資本主義経済)に敗北するか、近代的な価値の底に覆い隠される運命にあることになってしまう。ある種の敗北史観に陥っているのである。逆に民衆生活の近代を描き出そうとする研究は、社会運動史ではなく生活史や娯楽史を専らの対象としている。旧来の労働運動史のようにではなく、民衆運動の近代史の理論と実証研究が西欧の研究においても課題とされているのである。
今後の課題は、戦後日本の社会運動史を民衆運動の近代史として理論的に分析し、西欧とくにアメリカのそれと比較することである。そこにこそ民衆生活次元での近代日本社会の特質を把握し得る。

報告書

(1件)
  • 1996 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 矢澤 修次郎編: "講座社会学15 社会運動" 東京大学出版会(未定), (1997)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書

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公開日: 1996-04-01   更新日: 2016-04-21  

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