J.A.コメニウスにおける教育概念の探究にあたって、その研究史を踏まえて重要なのは、コメニウスとデカルトの邂逅とその後のコメニウスの側における思想的展開である。というのは、「確実なる知」の探究を掲げたデカルトとの邂逅を通して、コメニウスは、汎知学思想およびその教育学的展開にあたって、教育を理論的に定礎するべき諸条件を考察せざるを得なくなったからである.本研究では、コメニウスとデカルトの関係を扱った研究史を検討してきたが、とくに現代ドイツの代表的コメニウス研究者であるK.シャラ-の論考をとりあげ、コメニウス-デカルト問題の諸課題を検出した.
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