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歴史教育における内容構成論の史的研究-日本歴史を中心に-

研究課題

研究課題/領域番号 08710226
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 日本史
研究機関愛知教育大学

研究代表者

土屋 武志  愛知教育大学, 教育学部, 助教授 (20273302)

研究期間 (年度) 1996
研究課題ステータス 完了 (1996年度)
配分額 *注記
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1996年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
キーワード歴史教育 / 社会科教育 / 国民国家 / 日本史教育 / 教科教育 / ナショナリズム
研究概要

現行の社会科歴史教育には,明治期の歴史教育が有した「自国」認識と基本的に同一の「自国」認識に立った内容構成が見られる。それは,「自国(日本国)」を古代に成立し,現代まで同一の「国家」として一貫して連続する「国家」と見なす内容構成である。この「国家」は,日本列島という確定された領土と「日本人」という単一的民族を基本的構成要員とする現代における「国民国家」と基本的に同質のものとしてイメージされている。アジア太平洋戦争期以前の歴史教育にあっては,学習者に対して万世一系の天皇が統治する「善美なる国体」を認識させ,その「国家」の一員としての自覚を得させることが歴史教育に課された課題であった。そのために,天皇による「国家」統治が成立したと見なされた古代と現代との「国家」的一貫性・同質性が強調されるとともに,アジア太平洋戦争期にあっては周辺諸国家との古代以来の文化的異質性・優越性が強く主張された。
しかしながら,現在は,「民主的な国家・社会」の形成者としての市民(国民)育成及び「国際社会」と民主的・平和的に強調できる市民(国民)の育成が,社会科歴史教育の課題とされている。したがって,歴史教育内容は,この課題に沿って構成されるべきであり,それは,明治期以来の現行の歴史教育内容の構成原理とは異なった構成を必要とすると考えられる。たとえば,「人権」や「民主主義」という観点から現代とそれ以前の違いに視点を当てたものであり,それは結果的に現在の「日本国」と「第日本帝国」を含むそれ以前の「国家」との異質性を明確に認識させることになり,現在の「日本国」を歴史的に相対化させることにつながると考えられる。このことに関する試験的研究は,今後の社会科教育学と歴史学の共同作業としての歴史教育研究の大きな課題となろう。

報告書

(1件)
  • 1996 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 土屋武志: "歴史教育における「自国(日本)」イメージ-歴史的変遷と今後の課題-" 愛知教育大学研究報告(教育科学編). 46輯. 11-20 (1997)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] 土屋武志: "歴史教育をとりまく「ナショナリズム」論-歴史教育内容の二つの方向性-" 探究. 8号. 13-22 (1997)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書

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公開日: 1996-04-01   更新日: 2016-04-21  

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