研究課題/領域番号 |
08710240
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
東洋史
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研究機関 | 専修大学 |
研究代表者 |
黨 武彦 専修大学, 法学部, 講師 (80251388)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 中国 / 清 / 行政 / 文書 / 档案 / 制度 / 政策 |
研究概要 |
従来、中国清代18世紀を中心に華北地域をフィールドとして、清朝中央政府の経済政策について実証的に研究を進めてきたが、その過程で使用した史料は「档案史料」と呼ばれる行政文書である。しかし、この文書それ自体の性格に関する分析、つまりは基礎的な史料批判はほとんど欠如している。よって文書制度それ自体の基礎的な研究を行った。そこにおいては単に制度の内容を編纂行政法典をもとに形式的に明らかにするだけではなく、あくまでも現実の個々の史料を分析することによる動態的分析に重点を置いた。したがって引き続き経済政策の分析を档案史料によって行い、乾隆期の銅銭流通の地域差について分析した。ここでは、史料の性格を明らかにするとともに、行政制度や経済政策の実態を明らかにした。その他、『永定河河道租冊』という帳簿史料を用いた清末の永定河治水行政に関する論考を準備中である。一方で、当時の行政文書作成のマニュアルを収集した。『奏摺譜』『公文式』のようなある程度公的なものから、幕友と呼ばれる官僚の私的スタッフが作成したものまで集めることができた。この成果については、「清朝文書行政システムの特質」(仮題)という論考を準備中である。また、档案の原史料について東京大学東洋文化研究所所蔵の仁井田・今掘氏旧蔵の県レベルの地方档案を整理した。また同研究所所蔵清末の建築関係档案について継続的に検討中である。この史料は膨大であるが、現在建築史研究者の協力を得て整理・分析作業を行っている。また蓄積された史料情報や目録情報は可能な限りデータベース化を行い、インターネットを通じてデータの共有を図る計画である。そのためのサーバー機能を有するパソコンを購入した。実現にはいくつかの技術的問題はあるが、現在鋭意準備作業を進めている。
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