研究課題/領域番号 |
08710241
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
東洋史
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
宮嵜 洋一 九州大学, 文学部, 助手 (50274402)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 中国 / 技術 / 開発 / 環境 / 産業 / 洪水対策 |
研究概要 |
本研究の目的として掲げた、中国における技術・開発の在り方、及びアジアの自然認識と環境破壊との関連等の究明については、山東省における採炭・製鉄・製陶等の技術及び湖北省における洪水復旧工事の2点を通して、特に清代における技術と開発の在り方を考察し、それぞれ「清初中国の技術と開発-山東省青州府博山県人孫廷銓とその著『顔山雑記』をてがかりに-」、「清代十八世紀の水害とその対策-乾隆五十三年荊州大洪水をめぐって-」と題する2本の論文をまとめた。その際、東京への出張を行い、東洋文庫及び東洋文化研究所の地方志の記事の収集につとめ、また、近年刊行されている地方志の影印版を購入した。また、研究計画に掲げていた他分野との研究交流についてだが、本年度十月に中国三峡地区で行われた地盤環境工学の国際フォーラムに参加してより、本学の工学部環境システム工学研究室の研究者諸氏との交流を深め、堤防造築技術について、特に堤防の構造及び河川流域の地盤についての多くの指摘を受けた。当初は研究対象として中国北部の開発及び生産業の展開について予定していたが、中国中・南部の洪水対策について、今日の三峡ダム建設に関する技術的・行政的対応の実状を聞くに至り、それと絡んで種々の歴史的問題が存在していたことが推察できた。これは今後の研究の一つの対象となり得るわけで、そうした方向性を見いだし得たということも、成果といえよう。総じて、歴史研究のなかで、技術・開発・環境等についての研究がこれからも重要な対象として取り挙げられるであろうし、またその際、用語・具体的技術内容等の確認のためにも他分野との交流が大いに必要である。
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