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イギリスロマン主義における文化概念の形成

研究課題

研究課題/領域番号 08710318
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 英語・英米文学
研究機関山形大学

研究代表者

大河内 昌  山形大学, 人文学部, 助教授 (60194114)

研究期間 (年度) 1996
研究課題ステータス 完了 (1996年度)
配分額 *注記
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワード文化 / イデオロギー / ロマン主義
研究概要

イギリスロマン主義における文化概念の形成にかかわる問題を、そのイデオロギー的な側面から検討した。今回の研究においては、ロマン主義時代の詩人哲学者であるサミュエル・テイラー・コールリッジの散文作品に焦点を当て、彼が晩年に構想した文化の理論が、当時の政治的な力学によって決定されているものであることをあきらかにした。従来の研究においては、彼の詩学と政治理論は、まったく別個のものとしてあつかわれ、それらの相互の関係は十分な考察の対象にはなってこなかった。しかし、彼の政治的なテクストの修辞的な構造を綿密に分析することによって、彼の政治的な議論のなかで彼の詩的想像力の理論が、政治的な葛藤を和解させる力として介入していることが理解できるのである。政治理論家としてのコールリッジは、当時勃興しつつあった商業と、社会の伝統的な価値観をどう和解させるかという問題に取り組んでいた。この問題は、近代イギリス史における、商工業に基盤を持つ中産階級と大土地所有にその社会的、経済的な基盤をもつ貴族階級とのあいだの階級闘争と深い関係をもっていた。コールリッジは二つの極の対立を和解する詩的な想像力という彼の詩学の根本概念を歴史と社会の問題に援用することによって、現実の政治的な領域では解決不可能な問題をイデオロギー的に解決することを企てたのである。詩学が内包するイデオロギー的含意という視点からコールリッジのテクストを分析することによって、政治と経済の次元と切り離された、詩的な想像力が支配圏をもつ領域として構想されたものが文化の領域であることがあきらかになるのである。

報告書

(1件)
  • 1996 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 大河内 昌: "Aestheticizing the State,or the Formation of Cultural Theory in Coleridge's Later Political Works" 試論. 36号(未定). (1997)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] 大河内 昌(共著): "Enlightened Groves : Essays in Honour of Professor Zenzo Suzuki" 松柏社, 438 (1996)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書

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公開日: 1996-04-01   更新日: 2016-04-21  

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