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アジア系アメリカ文学にみられる女性たちの葛藤と戦いについて

研究課題

研究課題/領域番号 08710339
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 英語・英米文学
研究機関名古屋女子大学短期大学部

研究代表者

羽澄 直子  名古屋女子大学短期大学部, 助教授 (60249323)

研究期間 (年度) 1996
研究課題ステータス 完了 (1996年度)
配分額 *注記
500千円 (直接経費: 500千円)
1996年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
キーワードアジア系アメリカ文学 / 女性作家 / フェミニズム / エスニック
研究概要

本研究は、アジア系アメリカ人作家(特に女性作家)の作品における、女性が体験する様々な葛藤と戦いについて、主にフェミニズムの視点から考察することを目的とする。本年度の研究では、アジア系作家の中でも、全米的に読まれているテキストが多くその活躍が目立つ中国系女性作家のうち、エイミ・タン(Amy Tan)の作品を主に取り上げた。
アジア系社会では概して女性への抑圧が強く、女性の声や体験は母から娘へひそかに伝承されるだけで表に出ることは少なかった。そんな母の声を代弁すべく、あるいは反発すべく沈黙を破ったのは、生まれた時からアメリカ的自由の洗礼を受け、英語が堪能な二世三世の娘たちだった。しかし彼女たちの声によってあらわにされる母娘の関係は「中国的、因襲的な母」VS「アメリカ的、進歩的な娘」というような単純な対立構造で片づけられるものではない。タンの作品に登場する母たちは、故国中国で女ゆえの辛酸をなめる。だから命がけで自由を求めてアメリカへ渡ったのである。従って新しいアメリカ的なものに対する信奉はある意味では母の方が強い。むしろアメリカで生まれ育った娘の方が何でもできるはずの自由と母の過度な期待に圧倒され、自己規制で殻に閉じこもってしまう傾向にある。沈黙しがちな娘が歯がゆい母は彼女に「気」を与え、「主張」するよう促す。葛藤の末、娘は母の歴史に耳を傾け、自己を解放するきっかけをつかむ。そして母と娘は戦いを解消、あるいは共有しながら絆を取り戻す方向に進んでいく。

報告書

(1件)
  • 1996 実績報告書

URL: 

公開日: 1996-04-01   更新日: 2016-04-21  

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