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ガリレオの言語表現の特徴の形成過程について

研究課題

研究課題/領域番号 08710351
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 その他外国語・外国文学
研究機関京都産業大学

研究代表者

小林 満  京都産業大学, 外国語学部, 助教授 (50242996)

研究期間 (年度) 1996
研究課題ステータス 完了 (1996年度)
配分額 *注記
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワードガリレオ / ベルニ / カピ-トロ
研究概要

ガリレオの俗語による言語表現の特徴がどのように形成されていったかを探っていくための研究対象として、まず彼のピサ時代(1589-1592)の詩作品『ト-ガを身につけることに対するカピ-トロ』(Capitolo contro il portar la toga)をとりあげた。この作品の分析をとおして、20代半ばに書かれたこの諧謔詩のなかに、すでにはっきりと、彼の障害をつうじてその精神の根底にあり続けた真理を求めるさいの「明晰性」とアイロニ-をふくんだ「論争的性格」が存在していることが確認された。
カピ-トロという詩の形式(三行詩節によって構成される、おもに諧謔を目的としたもの)は特に16世紀前半に活躍したトスカ-ナの詩人フランチェスコ・ベルニによって用いられた。彼の諧謔詩は当時大流行してたくさんの追従者を生んだ。チェッコ・アンジョリエ-リからマキャヴェッリにいたる、トスカ-ナの諧謔的・批判的な精神の伝統に棹をさして、また直接にはこのベルニに触発されて、ガリレオは問題の詩を書いたのであった。
講義をするとき以外にもト-ガを身につけなければならないという当時のピサ大学の規則に反対するためのプロパガンダであったこの作品のなかでは、その規則そのものや大学当局・同僚の大学教授たちに対するひじょうに論争的な批判的態度だけではなく、衣服という社会制度がもたらす人間間の差異化を「幻想」だ看破することで、常識の皮膜を剥いて真理を暴くガリレオの明晰な態度もはっきりと見て取れるのである。以上の研究結果は拙論「ガリレオの諧謔詩『ト-ガを身につけることに対するカピ-トロ』について」のなかにまとめた。
また上述の研究と並行して、『小天秤」における記述の「具体性」や『築城論』等における説明的な「わかりやすさ」といった点についても研究を進め、現在も続行中である。

報告書

(1件)
  • 1996 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 小林満: "ガリレオの諧謔詩『ト-ガを身につけることに対するカピ-トロ』について" 岩倉具忠先生退官記念論文集. 163-170 (1997)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書

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公開日: 1996-04-01   更新日: 2016-04-21  

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