研究課題/領域番号 |
08710362
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
言語学・音声学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
栗林 裕 岡山大学, 文学部, 助教授 (30243447)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | TURKISH / COMPOUND / MORRHOLOGY / INCORPORATION / 音声資料 / トルコ語 / 複合動詞 |
研究概要 |
複合動詞、複合名詞、複合形容詞等の複合語の語形成というテーマについて他の文法現象との相関に留意し、音韻的側面、形態的側面、統語的側面など多角的な視点からラジオ放送による音声試料を利用した考察を行った。 1.トルコからの音声放送が受信できる周波数帯及び時間を確定することが可能になった。 15.145Mhz 15:00-17:00(日本標準時)11.925Mhz 15:00-18:00(日本標準時) 極東向けの放送ではないが、非常に安定してかつ強力に入感する事が分かった。 2.受信は時事ニュースを中心に行い、カセットテープデッキを用いてテープに録音した。ニュースなど他、朗読や演劇のシナリオ等当初の予測よりバラエティに富んだ資料の収集が可能となった。 3.トルコ語放送だけではなくウズベク語、アゼルバイジャン語、トルクメン語等のチュルク諸語の音声データーも入手できることが分かった。またトルコ本国からだけでなく、北京放送等のトルコ語放送を利用可能であることが分かった。 4.理論的な問題に関してはトルコ語の動詞の複合に関して、目的格補語や主格補語にみられる補語の編入がトルコ語において観察され繰り上げ規則と相関があることを、トルコでの国際学会The8th International Conference on Turkish Linguisticsにおいて学会発表を行った。 音声資料の分析には資料の収集をさらに継続して行う必要がある。今回の調査対象であった複合動詞における音声現象のみならず、様々な文法現象に対して音声資料の利用が可能であることが分かった。特に会話文やシナリオにおけるイントネーションの分析には非常に有益であろうと思われる。今後はこのような分野においても、得られた資料を活用して行きたいと思う。私見ではラジオ等による音声資料の活用を活用した言語研究はほとんどなかったように思う。トルコ語のみならず母語話者資料が入手しがたい特殊言語の研究にはこのようなアプローチが非常に有望であることが分かった。
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