研究課題/領域番号 |
08710377
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
文学一般(含文学論・比較文学)・西洋古典
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
今橋 映子 筑波大学, 文芸・言語学系, 講師 (20250996)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1996年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 1930年代パリ / パリ神話 / フォト・ジャーナリズム / ブラッサイ / 佐伯祐三 / ヨ-ゼフ・ロ-ト / 金子光晴 |
研究概要 |
本研究は、1930年代のパリにあって、独自の表現領域を開拓した外国人芸術家たち、特に写真家および画家を中心とした人物と作品の研究に、当初の計画通りの成果を上げることができた。 具体的には、別記のとおり6編の研究論文にまとめた通りである。特に『アステイオン』誌上では、「1930年代の光と影」という統一したテーマのもとに、本研究の成果を連続掲載することができ、現在など継続中である。また「ブラッサイ『落書き』論」と題した論文においては、本研究のもう一つの大きな柱である〈パリ神話〉の解明そのものについても、さらに考察を進めることができた。 さらに本年度末(1997年3月)には、1930年代のパリおよびヨーロッパを、散文および水彩画という全く異なる2つの手段で表現した詩人・金子光晴の、未公開水彩画を調査し、初公開した単著『金子光晴 旅の形象--アジア・ヨーロッパ放浪の画集』(平凡社)を刊行した。これによって、自らを〈無国籍者〉として位置付けた光晴の視点から、1930年代パリの様相が、よりはっきりと浮かび上がったはずである。 上記の一連の著書、および論文によって、「1930年代パリと外国人芸術家」の個々の事例が研究されただけでなく、文学と政治、文学と写真、絵画と詩・・・などの境界領域の研究方法が探究されたことも、本研究の大きな実績として挙げることができよう。(658字)
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