研究課題/領域番号 |
08720001
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
基礎法学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
鈴木 賢 北海道大学, 法学部, 助教授 (80226505)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1996年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 裁判官 / 裁判の独立 / 弁護士 / 社会保障 / 年金 / 医療保険 / 高齢社会 / 介護 |
研究概要 |
予定していた裁判の独立をめぐる理論と現実の分析と、社会保障法の変容・改革の分析の二つの領域につき、それぞれ以下のような実績を得た。前者についてはここ1〜2年の現実の急激な変動の大きさを消化しきれず、論文の形で成果を公表するには至らなかったが、資料収集・整理の面で長足の進展をみた。新たに制定された弁護士法、裁判官法、検察官法、刑事訴訟法などの概要、理論面での変動について、多くの情報を収集することができた。人民法院の建国以来の歴史的変遷を踏まえて、少なくとも3編の論文にまとめるべく、情報の整理、論文構想の段階に入っている。後者については、96年度の比較法学会社会主義法部会で成果の一端を報告し(「比較法研究」に要旨を公表予定)、高齢者問題を中心にして年金、医療、介護を支えるコミュニティサービスなどについて、変動の論理と概要をまとめた論考を脱稿した(97年6月刊行予定)。単位(職場)が丸がかえしていた社会保障機能をいかに社会化してゆくかが、この国の将来を強く規定するだけあって、慎重かつ弾力的に改革は進行している。基本的には国家の負担を最少限に抑え、個人や企業にその肩代わりを求めようとするもので、自助努力の強調が基調となっていることが判明した。 両領域ともいまだに変動のさなかにあり、中期的には今後もその動向を追跡することが求められている。法制度のコアをなす裁判制度の変革と、国有企業の生き残り(言い換えれば社会主義の生き残り)を賭けた社会保証制度の改革は、ともに中国社会の質を決定づけるカギとなる重要問題であり、今年度の研究で得られた成果をさらに発展させることが今後の課題となる。
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