研究課題/領域番号 |
08720011
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
公法学
|
研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
藤井 樹也 三重大学, 人文学部, 助教授 (20273344)
|
研究期間 (年度) |
1996
|
研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
|
配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1996年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
|
キーワード | 権利 / 憲法解釈 / 私人間効力 / 幸福追求権 / 自己決定権 / 生存権 / 解釈方法論 / アメリカ憲法 |
研究概要 |
本年度の研究の目的は、(1)総論的研究としての憲法解釈方法論と権利基礎論、(2)各論的研究としての私人間効力論、幸福追求権論、生存権論に関する一連の研究を完成させることにあった。 このうち、幸福追求権論に関しては、憲法第13条によって保障されていると考えられる憲法上の自己決定権に関する研究をおこない、その成果を「『自由』に対する『権利』?(1)、(2・完)-憲法上の自己決定権をめぐって-」三重大学法経論叢14巻1号23頁(1996年)、2号125頁(1997年)に公表した。ここでは、アメリカにおける「列挙されていない権利」論とデュー・プロセス条項、修正第9条、特権免除条項との関係に関する最近の理論動向を参照しながら、日本国憲法第13条における「自由」という文言に注目すべきことを提唱した。また、幸福追求権論の内容に関する一般的自由説と人格的利益説の双方が不適切であるとして、憲法第13条の「自由」または「幸福追求」に「価値的限定」をくわえるのではなく、「権利」の概念に「言語的限定」をくわえることによって憲法第13条の保障範囲の無限定な拡大にはどめをかけるべきことを提唱した。 つぎに、以上の研究をふくむ、全体としての(1)総論的研究と(2)各論的研究を一冊の書物にまとめた(近刊予定)。ここでは、(1)総論部分で、<解釈学>的アプローチの憲法解釈方法論をもとに、「権利」概念に「言語的限定」をくわえることによってその「収束」をこころみる<解釈学>モデルの「権利」観を提唱し、(2)各論部分で、この<解釈学>モデルの「権利」観をもとに、私人間効力論、幸福追求権論、生存権論を具体的に検討した。
|