研究課題/領域番号 |
08720019
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
国際法学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中西 康 京都大学, 法学研究科, 助教授 (50263059)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | foreign judgment / jurisdiction / treaty |
研究概要 |
外国判決の承認及び執行に関する従来のハ-グ条約についての関連資料、多国間条約としてはもっとも成功しているヨーロッパのブラッセル・ルガ-ノ条約の関連資料、及び2000年に予定されている新ハ-グ条約についての準備段階の資料を収集した。 以上の資料を分析した結果、ブラッセル・ルガ-ノ条約がこのように成功を収めている背景にあると考えられるのは、加盟各国の司法制度の均質性であると思われる。このような背景を欠いているハ-グ条約が不成功に終わったのもやむをえない。また、ECにおいては、条約の解釈統一のための制度的手当としてEC司法裁判所があることも見逃せない。 今回の2000年のハ-グ条約の作成に比較的熱心に取り組んでいると思われるのは、アメリカ合衆国であるが、周知の通り、アメリカ合衆国では多くの州が懲罰的損害賠償のような他国から見て異常に高額な賠償金の制度を持ち、また、ディスカバリーなどの手続の異質性も際だっている。条約が成功するか否かは、他国と比べて異質なこのようなアメリカ合衆国の法制度から下されるアメリカ合衆国の判決の承認を、他の諸国がどれだけ受け入れられるかにかかっていると言える。しかし、準備段階の会合の議論の報告を読む限り、いまだこのような点は詰め切れていないようであり、条約の作成及び作成後の成功の見込みについても、それほど楽観的な予測はできないと思われる。
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