研究課題/領域番号 |
08730028
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
経済政策(含経済事情)
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
高橋 孝明 埼玉大学, 大学院・政策科学研究科, 助教授 (30262091)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1996年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 都市システム / 地理的集中 / 集積の経済 / 規模の経済 / 産業化 / サービス化 / 経済成長 / 産業空洞化 |
研究概要 |
本年度は、経済活動の地理的集中に関して、いくつかのテーマを理論的に研究した。 1)都市は、一度ある程度の大きさまで成長してしまえば、あとはさまざまな種類の規模の経済が働くために、与えられた条件が恵まれたものでなくてもさらにある上限まで自律的に成長を続ける可能性がある。この仮説(都市の「テイク・オフ」仮説)に拠れば、都市が成長して大都市になるかどうかは、それがほんの一時であってもある水準以上に大きくなることがあるかどうかにかかっている。これらを説明するために、簡単な経済理論モデルを構築し、都市がテイク・オフするのを可能にするような与件の変化について論じた。さらに、19世紀前半のシカゴと17世紀前半の江戸がこの仮説によく当てはまることを明らかにした。 2)地理的集中が経済の効率性に及ぼす影響の研究の一環として、都市システムのありかたがその後の産業化にどのような影響を与えるかを研究した。具体的には、ヨーロッパの都市人口の時系列データを用いて、実証分析を行った。その結果、都市化の進展が産業化にどちらかと言えばマイナスの影響をもつことが示された。また、産業化をうまく成し遂げた国では、産業化以前に大都市ではなく中小の都市が発達していたことが明らかになった。 3)近年見られる東京への一極集中の加速化は、製造業の海外移転およびそれと連動している産業空洞化、さらに、並行して生じる経済のサービス化抜きにしては語れない。その点を明らかにするための第一歩として、そういった現象が生じる根本的な理由は何なのか、どのような条件の下でそれは生じるのか、といった問題を理論的に分析した。
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