研究課題/領域番号 |
08730054
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
財政学・金融論
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
藤原 賢哉 神戸大学, 経営学部, 助教授 (30229067)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | インセンティヴ / モラル・ハザード / コ-ポレート・ガバナンス |
研究概要 |
1.日経NEEDS-TSおよび金融人事問題研究会の発行資料、銀行人事システムに関する書物等を用いて銀行の人事システム、役員経歴、経営パフォーマンス等についてのデータを入手した。 2.日米の銀行人事システムに関する比較研究をおこなった。わが国では、採用・昇進が人事部によって決められ、また、職務の専門性が低く(ジェネラリスト指向)、途中で他の銀行に転身することが少ないのに対して、米国では、職務の専門性が高く、他行からの中途採用が多いほか、昇進・評価も所属する職務の長・グループによって決定されている。また、部門別に、予算と収益目標が設定され、権限と責任体制が明確になっている点もわが国と大きく異なっている。 3.わが国銀行人事システムの変化とその問題点。バブル経済の前後において、わが国でも人事評価に能力主義を導入する傾向が強くなっている。給与に関しては職務給、賞与に関しては、項目どとの評価に応じた賞与体系が導入されている。また、総合職の分化や通年採用など人事のflexibilityを高める工夫が行われている。これらの人事システムの変化は、銀行員のインセンティブを高めることが期待される一方、評価システムの重要性や問題点(客観性、評価基準の設定、誰を評価者にするか、大和銀行問題など)を浮き彫りにしており、今後さらに検討が必要であると考える。 4.バブル経済と人事システムのあり方との関係。バブル経済期における審査部の役割について、役員に締める審査部出身者の地位について検討を行った。また、金融業務の専門化やアンバンドリング化など、今後の銀行経営にとって必要とされる改革と、従来の人事システムとの関係(矛盾)について検討を行った。さらに、現在検討されている金融持株会社と人事システムとの関係についても考察を行った。
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