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日本の医薬品工業における技術革新の分析

研究課題

研究課題/領域番号 08730071
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 経営学
研究機関神戸大学

研究代表者

原 拓志  神戸大学, 経営学部, 助教授 (60252756)

研究期間 (年度) 1996
研究課題ステータス 完了 (1996年度)
配分額 *注記
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワード医薬品 / 製薬業 / 技術革新 / 技術変化 / 技術軌道
研究概要

日本にとって重要性を増しつつある知識集約型産業における技術革新について、医薬品工業を例として調査研究した。まず、日本の医薬品開発で長らく主役を担ってきた抗生物質など抗菌剤の開発の流れを分析した。ここでは、業界での大きな技術的流れとしての「産業の技術軌道」と、各企業それぞれの技術的流れとしての「企業の技術伝統」を見いだした。産業の技術軌道を生み出す要因は、研究者行動の特性、技術的機械と技術的限界、開発および生産の経済、市場の要求など、企業の技術伝統を生み出す要因は、技術獲得の経緯、経営資源の有限性と特異性、組織行動の特性、市場での成功体験などであると考えられる。企業の技術伝統はたいがい一つの技術軌道に築かれ、一朝一夕に新しい技術軌道に技術伝統を築くことは困難なようだ。技術軌道の盛衰を乗り越えるには、技術軌道や技術伝統を形成する諸要因を早いうちに操作する必要があることが示唆としてえられた。次に、具体的に2社の製薬企業における技術変化について、製品と製法の両方について詳しく調べた。その結果、製品革新の余地が大きいこと、製品革新には合成プロセスの革新が伴うこと、規制が技術革新に与える影響が大きいこと、技術革新の源泉としては製薬企業のほか技術のシ-ズを有した諸組織の貢献が大きくユーザやサプライヤの貢献は少ないことなどが医薬品工業における技術革新の特徴として得られた。とくに、日本の製薬業の場合は、製法革新から製品革新へと重点の移行が見られること、漸進的な改善から画期的革新へと移行してきていることが明らかとなった。このことから、知識集約型産業の技術革新を考える際には、技術的深化、技術シ-ズとのパイプの確立、ユーザ至上主義からの脱却、グローバルな制度や政治の動向への配慮などが重要であるという示唆が得られた。

報告書

(1件)
  • 1996 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 原 拓志: "産業の技術軌道と企業の技術伝統:日本における抗生物質および合成抗菌剤の開発" 神戸大学経営学部研究年報. 第42巻下巻. 175-204 (1996)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] 原 拓志: "日本の製薬企業における技術変化" 国民経済雑誌. 第175巻5号(近刊). (1997)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] Hara,Takuji: "Industrial Technological trajectories and Corporate Technology Traditions : The Development of Antibacterial Drugs in Japan" The Annals of the School of Business Administration,Kobe University. No.41(近刊). (1997)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] 原 拓志: "製薬業における技術革新:事例研究(2)" 神戸大学経営学部ディスカッションペ-パ-. 9708. 1-21 (1997)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書

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公開日: 1996-04-01   更新日: 2016-04-21  

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