研究課題/領域番号 |
08730089
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
会計学
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研究機関 | 青山学院大学 |
研究代表者 |
薄井 彰 青山学院大学, 経営学部, 助教授 (90193870)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1996年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | ノイズ付合理的期待均衡 / マイクロストラクチュア / インサイダー / 価格の流動性 / 価格の報知性 / ミニマム・スタンダード |
研究概要 |
本研究は、投資家が私的情報をあらかじめ保有している状況において、会計情報の精度が価格の報知性、流動性、ボラティリティといった市場のマイクロストラクチュアに及ぼす影響を検討している。より精度の高い会計情報の公表は、価格の報知性や流動性を高め、ボラティリティを低下させる。地方、私的情報の精度が高いほど、価格の報知性やボラティリティが高くなり、流動性が減少する。この研究で示したノイズ付合理的期待モデルは、会計情報の公表と株価や取引量に関する実証研究に理論的な基礎を提供している。 将来収益の高い投資案を持つ企業は、開示コストを負担しても、精度の高い会計情報を自発的に供給する供給するインセンティヴをもつ。私的情報を保有するインサイダーは、流動性の高い株式やノイズ・トレーダーの取引が活発な株式を選好する。また、私的情報が会計情報よりも十分に精緻ならば、インサイダーは精度の高い会計情報を公表する企業の株式を取引しようとする。しかし、会計情報が私的情報より十分に精緻ならば、インサイダーはできる限り精度の低い会計情報を公表する企業の株式を選好する。15EA03:会計規則は、最低水準の情報精度とみなすことができる。一国市場では、会計規則の強化は既存の株主の期待利益を減少させる。統合化されたグローバル市場において、国際会計基準は、ミニマム・スタンダードとして機能する。そこでは、一国市場の場合と同様に、国際会計基準の強化も既存の株主の期待利益を減少させる。より現実的には、完全に統合されていない分断化された市場を前提とすることが必要である。分断化された市場で、グローバルな国際会計基準が投資家に及ぼす影響については、残された課題である。
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