研究課題/領域番号 |
08740060
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
幾何学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
守安 一峰 徳島大学, 総合科学部, 助教授 (60253184)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 非可逆系 / 不安定集合 / 強横断性 / ホモクリニック点 |
研究概要 |
離散力学系は、可逆系(微分同相写像)と非可逆系に分類することが出来る。離散力学系の研究は主に可逆系に対して行われてきた。その理由として、可逆系は扱いやすくそこで得られた結果は非可逆系に演繹されると考えられてきたことが挙げられる。しかし、実際には多くの相違点が存在する。 非可逆系の不安定集合は可逆系のそれに比べ非常に複雑な構造を持っている。たとえば、分岐理論の中にHausdorff次元の概念がある。可逆系では双曲型集合のHausdorff次元は系が動くに従って連続的に変化する。しかし、非可逆系に於いて双曲型集合のHausdorff次元は連続的に変化しない。この違いは、不安定集合の構造的な相違によって引き起こされている。 本年度の研究目的は、非可逆系の不安定集合の構造を明確にすることであった。 不安定集合に交わるときの様子を明確にするために、強横断性を満たす微分写像の構造とホモクリニック点の構造について研究し、次の成果を得た。 (1)強横断性を満たす微分写像の集合は微分写像全体の中で開集合を成していることを示した。 (2)可逆系におけるホミクリニック点の構造は、その点に於いて安定集合と不安定集合が横断的に交わる場合とそうでない場合の2通りである。しかし、非可逆系には、これらの構造に加え横断的に交わりかつ横断的でないという2つの構造を併せ持つホモクリニック点が存在する。今回は、非可逆系におけるホモクリニック点の構造を分類した。
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