研究課題/領域番号 |
08740061
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
幾何学
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
小松 和志 高知大学, 理学部, 助手 (00253336)
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研究分担者 |
逸見 豊 高知大学, 理学部, 助教授 (70181477)
小林 貞一 高知大学, 理学部, 教授 (30033806)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 準結晶 / 非周期性 / 射影法 |
研究概要 |
1984年にD.Shechtmanらにより発見された新物質は準結晶と呼ばれ、結晶とは異なり非周期性という特徴を持っています。この構造を与える数学的モデルとして、R.Penroseがすでに考案していたペンローズ・タイリングが注目を集め、それを得る射影法という方法は高次元の結晶構造からそれより低い次元の非周期構造を作り出すというアイデアによるもので、従来の結晶学の概念を拡張しています。準結晶はネットワークの一種とみなせ、それは1次元複体の埋め込みという観点からみれば、結び目・絡み目をより複雑にしたものです。結び目・絡み目理論を研究していたときに用いた方法により、以下の結果を得ました。 私は射影法により4次元結晶構造から得られる2次元タイリングが周期性をもたないための必要十分条件を位相の言葉を用いて記述し、論文として既に発表しています。平成8年度は次元を一般にした場合の射影法を定義し、それにより、常に高次元タイリングが与えられることを示しました。また、その高次元タイリングが周期性をもつための十分条件、周期性をもたないための十分条件、非周期性を持つための十分条件をそれぞれ与えました。この結果は共著の論文として発表しました。 さらに高次元構造に対しても2次元の場合と同様の必要十分条件を決定し、もっと精密に、平行移動対称性を許す線形独立な方向の最大数を明らかにしました。この成果は広島大学のトポロジーセミナーにて口頭発表をし、予稿にしてあります。近く、論文として発表することを予定しています。これらの結果は射影法により得られる構造が準結晶かどうかの判定法のひとつを与えています。
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