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反応拡散方程式系に対する漸近解析

研究課題

研究課題/領域番号 08740089
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 解析学
研究機関岩手大学

研究代表者

飯田 雅人  岩手大学, 人文社会科学部, 講師 (00242264)

研究期間 (年度) 1996
研究課題ステータス 完了 (1996年度)
配分額 *注記
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワードreaction-diffusion system / chemical reation / nonlinear boundary condition / asymptotic expansion / invariant manifold / competitive species / separatrix / comparison principle
研究概要

本研究は反応拡散系のうち、特に、界面化学反応を記述する数理モデルと、数理生態学に現れる二種競合拡散系に対して、漸近解析をおこなった。
界面反応のモデルは二つの拡散方程式が非線形境界条件によって絡み合った系であり、解の時刻無限大での極限が空間的に一様な平衡状態になることが知られている。本研究では、適当な有限次元不変多様体を構成し、問題をその上へ射影して解析することで、平衡状態の近傍での解の漸近展開を正当化した。その結果、解は充分時間がたつと、反応が境界でのみ起こることを反映して境界付近で極度に密度の低い非一様な形をしながら、平衡状態に漸近することがわかった。このモデルでは、境界条件が非線形であることが災いして、積分方程式を利用する既存の方法で不変多様体を構成するのは困難である。一方、エネルギー二次形式を活用する「アダマ-ルのグラフ変換法」は、非線形境界条件のもとでも適用できる反面、このモデルのように平衡状態での線形化作用素が自己共役ではない問題には適用できない。そこで、グラフ変換法を「自己共役作用素+小さな摂動」の場合にも適用できるように改良し、さらに、方程式に合った巧妙なスケール変換を導入することで、線形化作用素の非自己共役部分が小さくなるように工夫した。この成果は,Funkcialaj Ekvacioj Vol.39に発表した論文にまとめられている.
二種競合拡散系については、双安定条件のもとで、どちらの種が全滅するのかを研究した。拡散の無い場合に二つの安定平衡状態の吸引領域を分割するセパラトリクスが凸であることを証明し、それと比較原理を結び付けたことによって、拡散のある場合と無い場合とで二種の勝敗が逆転し得ることを示した。この成果をまとめたpreprintは,現在,投稿審査中である。

報告書

(1件)
  • 1996 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Masato Iida et al.: "Asymptotic expansion of solutions to a chemical model with boundary reaction terms" Funkcialaj Ekvacioj. 39・1. 39-67 (1996)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書

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公開日: 1996-04-01   更新日: 2016-04-21  

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