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超越整関数の複素力学系

研究課題

研究課題/領域番号 08740116
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 解析学
研究機関大阪府立大学

研究代表者

木坂 正史  大阪府立大学, 総合科学部, 助手 (70244671)

研究期間 (年度) 1996
研究課題ステータス 完了 (1996年度)
配分額 *注記
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1996年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
キーワード複素力学系 / 超越整関数 / ジュリア集合 / ファトウ集合
研究概要

本課題の目的は超越整関数のジュリア集合の位相的性質のうち最も基本的である連結性について研究することにあった。
まず、ジュリア集合に無限遠点を加えたリーマン球面内のコンパクト集合の連結性については、「連結であることは多重連結な遊走領域を持たないことと同値である」という形で必要十分条件が得られた。これは当初の計画で目標にしていたことである。また更に
(1)特異値の集合が有界であること
(2)ファトウ集合に非有界連結成分が存在すること
(3)漸近値が存在すること
がそれぞれ、連結であるための十分条件であることも示した。
また、ジュリア集合自身の連結性については
1.ファトウ集合の連結成分がすべて有界である場合
2.ファトウ集合が非有界な連結成分を持つ場合
の2つに分けて考察した。1.については「ファトウ集合のすべての連結成分が単連結ならばジュリア集合は連結である」という形で1つの十分条件を得た。2.については、存在する非有界な連結成分がattractive basin、parabolic basin、Siegel disk、Baker domainのどれであるかに応じてジュリア集合が非連結であるための十分条件を得た。これが本研究のいわば主結果である。例えばSiegel diskの場合には「無限遠点がaccessibleである」というのが十分条件である。またBaker domainの場合に得た十分条件の一部を満たさないときで、ジュリア集合が連結になるような具体例も構成した。
主結果の証明の途中で補題として示したinner functionに関する結果はそれ自体で興味あるものであり、またこの結果は今後、超越整関数のジュリア集合の局所連結性を研究するにあたって有用であろうと現在考えている。
なお、本研究の成果は「Ergodic Theory & Dynamical Systems」に「On the Connectivity of Julia Sets of Transcendental Entire Functions」のタイトルで掲載される予定である。

報告書

(1件)
  • 1996 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Masashi KISAKA: "On the Connectivity of Julia Sets of Transcendental Entire Functions" Ergodic Theory & Dynamical Systems. (to appear).

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書

URL: 

公開日: 1996-04-01   更新日: 2016-04-21  

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