研究課題/領域番号 |
08740156
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
数学一般(含確率論・統計数学)
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
高木 祥司 大阪府立大学, 総合科学部, 講師 (00231390)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1996年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 区間推定 / Neyman Shortness / 条件付き確率 / 標準化 / 検定論 / 点推定論 |
研究概要 |
まず、区間推定の最適性に関するNeyman Shortnessの基準の改良を試みた。そのアイディアは、Prattによって提案されたものであり、条件付きの確率のもとでNeyman Shortnessを考えることである。本研究では、数値的により扱いやすい形で、そのアイディアをとりいれて、新しい基準を提案した。それによって、元の基準でいくつかの問題点、例えば、Prattのパラドックスや、不連結な信頼区間の採択、といったものについて、理論的な説明や理由を与えることに成功した。 次に、この基準を多変量の場合に拡張することを考えた。その際、変数と真値との差をFisher情報量行列によって標準化することが、不可欠であることを理論的に示した。また、結果として、多変量正規分布を例にとると、他の基準で最適な信頼領域が、我々の基準においても最適となることがわかった。この結果はさらに、一般の楕円分布にも適用されることも示された。 最後に、区間推定論は、検定論と点推定論をいかに融合したものであるか、という数理統計学の大問題にせまってみた。この問題に関して、Neyman Shortnessの改良は、区間推定を検定論の単なる焼き直しであると考えることの欠点を明らかにしてくれた。さらに、1母数の場合には、上側・下側信頼点と真値との差に重みをつけることによって、点推定論の観点から、区間推定の最適性をとらえられることがわかった。しかし、その融合性については、完全な解答を得られなかった。特に、多変量の場合には、点推定との関係がはっきりとしないままであり、今後の課題といえよう。
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