研究課題/領域番号 |
08740176
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
天文学
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研究機関 | 成蹊大学 |
研究代表者 |
橋本 修 成蹊大学, 工学部, 助手 (20221492)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 晩期型巨星 / 恒星進化 / 質量放出 / ダストエンベロープ |
研究概要 |
赤外線宇宙天文台(ISO)による観測は順調に進んでおり、我々の提案による晩期型巨星の星周ダストエンベロープの遠赤外線撮像観測も9個程の天体で終了してる。現在解析が進行中であるが、初期に観測された天体については、すでに天文学的に興味深い結果がいくつか得られている。 最初に観測された炭素星Y CVnでは、中心星から離れた星周ダストエンベエロープの姿が見事に映し出されていた。モデルを用いた解析から、過去14000年程度の間に著しい質量放出率の減少があったことが明らかになった。これは、ダストエンベロープの空間構造から、過去に不連続な質量放出を経験して来たことを直接示した歴史的な観測である。 進化した酸素過多のAGB天体IRC-10529では、現時点での質量放出は非常に大きいにもかかわらず、星周ダストエンベロープの大きさ(広がり)が非常に小さいことが観測から示された。これは、進化最末期の激しい質量放出をきわめて最近開始したことを意味する。激しい質量放出を開始して千年程度しか経過していない。今まさに生涯の最期を迎えようとする天体であることが明らかになった。さらに、小さくて濃いダストシェルの外側にも大きく広がった淡いダストエンベロープが存在している可能性が見出された。これは激しい質量放出を起こす以前の穏やかな質量放出の名残りであると考えることができる。結論を下すためにはまだ詳細な解析を必要とするが、進化最末期の激しい質量放出を開始する以前には特別な前兆は無いことが推察されている。
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