研究課題/領域番号 |
08740207
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
素粒子・核・宇宙線
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
上野 秀樹 大阪大学, 理学部, 助手 (50281118)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 偏極重イオンビーム / β-NMR法 / 中性子過剰核 / 遅発中性子 |
研究概要 |
本研究は、近年異常性が報告され注目を集めている中性子過剰核の核構造研究のため、中・高エネルギー重イオン核反応を利用してスピン偏極を得る方法を遅発中性子を用いたスペクトロスコピーへ応用して、励起準位のスピン・パリティーをも決定しようという初めての試みである。 実験は理化学研究所の入射核破砕片分離装置RIPSを用いて行なった。実験方法は次のようであった。^<22>Ne(E=100MeV/u)+^<93>Nb→^<17>B+X反応で生成された偏極^<17>BをPt中にインプラントし、β放出の非対称度の変化を指標とする核磁気共鳴β-NMR)を行なった。同時に、遅発中性子のエネルギーをβ線検出器と中性子検出器を用い、TOF法によって測定した。また、中性子放出後の終状態を特定する為に、γ線の同時測定も行なった。 これまでの解析から、^<17>Cの6つの励起状態の励起エネルギーを、うち4つは目的通りスピン・パリティーをも決定することができた。これはi)これまで中性子崩壊後の終状態が^<16>Cの基底状態に結びつくと報告されていた遷移のうち、2つの遷移については、終状態が^<16>Cの第1励起状態であることをγ線の同時測定からつき止めたこと、また、ii)4つの状態については、β線放出の非対称度に有意な差がみられ、β崩壊に伴う始状態からに角運動量変化を決定出来たことによる。 解析は継続中で、今後γ線の解析や遅発中性子の多重度の導出からさらの詳細な崩壊様式の決定が出来ると考えられる。
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