高圧衝撃波物理と固体内欠陥の挙動との関連を議論した研究はほとんどないが、小惑星衝突現象の解明や材料科学的に重要な問題を含んでいる。本年度は1)レーザー衝撃の欠陥に及ぼす影響2)長石等の高圧相変態に関する静水圧合成、衝撃実験3)原研高崎研のイオン照射装置を利用したポーラスシリコン他のイオン照射効果のESR、分光的、陽電子消滅に関する実験をおこなった。 1)では従来の衝撃生成物の物性研究の他、ストリークカメラを用いたナノ秒域での衝撃ルミネッセンスの測定を初めておこない、欠陥の再結合発光のダイナミクスの研究を開始した。 2)では岡山大学地球内部研究センター(固体地球研)にて高圧相長石の合成を行い、放射線誘起欠陥の同定を行い投稿準備中である。 3)ではポーラスシリコンの2MeVでの酸素イオン注入を行い、ダングリングボンドの定量的変化やUV照射時の発光量変化に関してデータを得て、1997年1月香港におけるESR国際会議で報告をおこなった。(会議録に出版予定)
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