研究課題/領域番号 |
08740370
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
気象・海洋・陸水学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
白岩 孝行 北海道大学, 低温科学研究所, 助手 (90235739)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 積雪 / 吹き溜まり / 雪氷 / 雪渓 / 地吹雪 |
研究概要 |
山地稜線の風下傾斜面における積雪分布について、吹き溜まり機構に着目して調査を行った。現地調査を実施したのは、北海道札幌市郊外の無意根山東斜面、北海道大雪山ヒサゴ多年性雪渓、およびロシア共和国カムチャッカ半島のカレイタ氷河涵養域の3地点である。無意根山では1997年3月中旬、ヒサゴ雪渓では1996年8月末、カレイタ氷河では1996年7月末に積雪調査を実施した。調査方法は、3地点ともに積雪量の空間分布を求めるため、浅層掘削を実施し、積雪量と稜線からの距離との関係を求めた。ヒサゴ雪渓とカレイタ氷河においては積雪分布に融雪の影響が含まれているが、融雪の空間分布は稜線からの距離に依存しないため、求められた積雪量分布は冬季の積雪量の分布と同様であると判断した。無意根山の観測は融雪開始前に実施したので、冬季の積雪量を直接表す。 ヒサゴ雪渓においては、稜線付近では強風によって堆雪が起こらないが、稜線から約250m離れた地点から吹き溜まりによる堆雪が始まり、500m付近まで漸次増加した。500mを過ぎた地点より急速に吹き溜まりの影響が減ずることが判明した。カレイタ氷河では、稜線付近で最も堆雪量が多く、稜線から離れるにつれ積雪が減少した。減少の傾きは1次直線でよく回帰できた。これより、この地点では吹き溜まりの影響がほとんど生じていないと考えられる。無意根山東斜面では稜線から離れるに従い、直線的に積雪が増加し、顕著な吹き溜まりの影響が観察された。 今回の研究では事例を収集するにとどまったが、今後は風速・地形・吹き溜まり量に関して定量的な関係を求める予定である。
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