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南関東における新第三紀火山噴出物の特徴とその地質学的背景について

研究課題

研究課題/領域番号 08740399
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 地質学
研究機関千葉県立中央博物館

研究代表者

高橋 直樹  千葉県立中央博物館, 地学研究科, 学芸研究員 (90250133)

研究期間 (年度) 1996
研究課題ステータス 完了 (1996年度)
配分額 *注記
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワード南関東 / 新第三紀火山活動 / 上総層群黒滝層
研究概要

房総半島中部に分布する新第三紀鮮新世の上総層群最下部黒滝層について、精密な柱状図の作成を行い、岩相を把握するとともに、いくつかの層準から資料を採集し、鉱物組成、化学組成の分析を行った。
調査の結果、黒滝層は多量の火山噴出物で特徴づけられるが、やはり多量の生物遺骸(貝化石片や有孔虫など)を全般に含み、本質的な火山噴出物は少なく、火山体の近辺から水流あるいは重力流によって運ばれた二次的な堆積物が主体であることが明らかとなった。すなわち、黒滝層堆積期は、火山活動が特に激しかったとは限らず、既存の火山体周辺から多量の堆積物が運び込まれるような大地のテクトニックな動きが存在した可能性が高い。
黒滝層中に含まれる火山噴出物の特徴は、構成粒子としては、火山岩片、斜長石、不透明鉱物(磁鉄鉱など)、単斜輝石、斜方輝石が多く、普通角閃石、石英なども含まれる。鉱物組成が輝石を中心とした安山岩質のものであるのに加えて、火山岩片が、流理構造の発達した組織や、急冷された細粒の石基をもつもの、気泡が見られるものなどが多く、陸上にまで成長した比較的大規模な成層火山体(例えば伊豆大島、三宅島などのような)を起源とすると推測される。角閃石の存在は、流紋岩質の火山体の存在を示すと考えられ、現在の伊豆弧と同様なバイモーダルな火山活動が推定できる。
以上、黒滝層の火山噴出物の特徴は、現在の伊豆弧とよく似ており、現時点では、特別な性質をもつとは言えない状況である。つまり、黒滝層に多量の堆積性火山砕屑物をもたらした要因が、火山活動にあるとは考えにくい。今後、下位の安野層及び上位の黄和田層も含めた火山活動の経緯の面とテクトニクスの面からさらに検討していきたい。

報告書

(1件)
  • 1996 実績報告書

URL: 

公開日: 1996-04-01   更新日: 2016-04-21  

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