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レーザーアブレーション誘導結合質量分析計によるマントル硫化物中の白金族元素の分析

研究課題

研究課題/領域番号 08740409
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 岩石・鉱物・鉱床学
研究機関筑波大学

研究代表者

黒澤 正紀  筑波大学, 地球科学系, 助手 (50272141)

研究期間 (年度) 1996
研究課題ステータス 完了 (1996年度)
配分額 *注記
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワードレーザーアブレーション / 誘導結合プラズマ / LAM-ICP-MS / 質量分析計 / マントル / 硫化物 / 白金族元素
研究概要

本研究では,主にレーザーアブレーションマイクロプローブ誘導結合プラズマ質量分析計(LAM-ICP-MS)による超微量元素の定量分析法の開発が行われた.筑波大学のLAM-ICP-MSでは,試料に照射するレーザーの波長として,従来の赤外線(1064nm)の代りに高調波を用いた紫外線(266nm)を採用した.この採用により,赤外線の吸収がないため分析不可能であった透明な物質(ガラス,石英,方解石,ダイヤモンド)も容易に分析することが可能になり,更に,波長が短いことからビーム径も5μm前後まで絞れるようになった.
紫外線レーザーでは,全ての珪酸塩が分析できるので,測定の汎用性が広がったといえる.ビーム径の微小化は分析の空間分解能を高めるが,一方で,質量分析部に送られる試料量も少量となるので,これまで以上に高い分析感度が要求されるようになった.分析感度は,濃度あたりの強度(感度)とバックグラウンドの高さ(検出限界)によって決定される.感度については,白金コーンやサファイヤインジェクターの採用,コーンとインターフェース間のマニュアル調節などにより導入当初に比べ約4倍感度を高めることに成功した.実際,溶液による測定では,現在,Rh10ppb溶液に対して160,0000ctsの強度を得ることが可能になっている.また,バックグラウンドについては,大気の流入を抑えることで,導入当初の約1/4に抑えることができ,希土類元素のバックグラウンドは80cts以下になっている.これらのことから,ビーム径40μmの測定条件で,希土類元素の検出限界も約40ppbまで改善された.また,珪酸塩ガラスNBS-612を標準物質とすれば,珪酸塩中の殆どの微量元素を相対誤差10%以下で定量できることが分かった。
硫化物については,安定なレーザーサンプリングが難しいこと,適切な標準物質がないことから,これまで,局所分析の成功例は報告されていない.今後,レーザーの波長,パルス波の設定条件,エネルギーなどを変えながら,硫化物のレーザーサンプリングの最適条件を探る予定である.また,標準試料については,粉末の標準試料をプレスしたものを測定したが,固結の度合が均質でないために試料が安定にサンプリングされず,現状のままではうまく行かないことが分かった.今後,加熱しながら圧縮するなどの処理を検討したい.

報告書

(1件)
  • 1996 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Kurosawa,M.et al.: "Study on mutual interaction between high energy ion beams and carbon materials related to interstellar material." Ann.Rep.,Tandem Accelerator Center,Univ.Tsukuba. 63. 100-100 (1995)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] Kurosawa,M.et al.: "Quantitative PIXE analysis of thick specimens." Ann.Rep.,Tandem Accelerator Center,Univ.Tsukuba. 63. 113-113 (1995)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] 黒澤正紀: "地球科学用PIXEとその特性" 地質調査所月報. 47. 471-483 (1996)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書
  • [文献書誌] Kurosawa,M.et al.: "Patterns in the hydrogen and trace element compositions of mantle olivines." Physics and Chemistry of Minerals. (印刷中). (1997)

    • 関連する報告書
      1996 実績報告書

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公開日: 1996-04-01   更新日: 2016-04-21  

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